この記事では、英語の「名詞」の種類や使い方、可算名詞と不可算名詞の違いについて徹底解説していきます。
名詞とは品詞の1つであり、人やもの、ことを表す語です。名詞は英文中で、主語と目的語、補語になれるので、1文の中で必ず登場します。
名詞の種類や文中での使い方が大切ですが、可算名詞と不可算名詞の違いや、単数と複数の判別にも触れますよ。
英語の名詞|6種類
英語の名詞は、性質ごとに5種類に分けられます。
学校文法では「代名詞」を名詞に含めることがあるので、この記事では6種類(5種類+代名詞)として紹介しますね。
種類ごとに例文を参考としながら解説するので、具体的なイメージが膨らむと思います。
1 英語の名詞|普通名詞 ~ 同じ種類に属する
普通名詞とは、同じ種類に属する人や動物、もの、ことの名称を広く表せるものです。
例えば、「a man(男)」や「a dog(犬)」「a book(本)」「a party(パーティー)」のような一般的な名称。
「a book」などの普通名詞は、可算名詞(数えられる名詞)として扱われるので、単数形として冠詞「a/the」を付けたり、複数形として「books」にする必要がありますよ。
可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)については、後述しますね。
普通名詞|例文
- I have a dog.
- 私は1匹の犬を飼っている。
上記では「a dog(1匹の犬)」が普通名詞。普通名詞は数えられるので、「dog」単独で使うことができません。
可算名詞を単数で表現したい場合には、必ず「a」や「the」「my」「this」などで、限定する必要があるのです。
なので「I have dog.」のような表現はできないということ。「a dog」にすることで、1匹の犬だと限定していますよ。
もし「the dog」であれば、話し手と聞き手の間に、1匹の犬に対する共通認識があります。
2 英語の名詞|集合名詞 ~ 2つ以上の同種
集合名詞とは、family(家族)など、同じ種類のものを1つのまとまりとして捉えた名詞。集合名詞は、可算名詞(数えられる名詞)として扱われます。
集合名詞は形の上から単数と見たり、意味的に複数として扱ったりしますよ。例文を参考とすれば、イメージが膨らむと思います。
集合名詞|例文
- 1 My family is lovely.
- 私の家族は素敵です。
- 2 My family are all well.
- 私の家族は全員元気です。
「My family is lovely.」では、家族を1つのまとまりとして表現していますね。「My family」が単数主語となるので、be動詞は「is」を使います。
主語に来る名詞が、単数か複数かを判別するのが大切。なぜなら名詞の「単数 or 複数」に応じて、動詞の形が決まるので。
「My family are all well.」では、be動詞が「is」ではなくて、「are」が使われている。「My family」が複数主語なので、「are」を使う必要があります。
「家族1人ひとり」に焦点が当たっているため、意味的に複数主語として扱っているのですよ。
英語も日本語もイメージが基にあって、それを基に言語化しているので、本質のイメージを考えましょう。
私たちの日常会話でも、「家族全体」を指す場合もあれば、「家族1人ひとり」を指す場合もありますよね。
3 英語の名詞|抽象名詞 ~ 抽象的概念を表す
抽象名詞とは、抽象的概念を表す名詞のこと。「愛(love)」や「平和(peace)」など、具体的な形を持たない名詞を指す。
抽象名詞は、特定の形を持たないため、不可算名詞として扱われますよ。1つ・2つと数えられないということ。
なので、不可算の「愛」という意味では、「a love」や「loves」の形には出来ないのです。
抽象名詞|例文
- Love is blind.
- 愛は盲目。
「love(愛)」は不可算名詞として表現可能。「love(愛)」は1つ2つと数えることができないので、不可算名詞だと捉えましょう。
不可算名詞は、「a」や「the」「my」などを付けないで、名詞単独で使うことができますよ。上記では「Love」が単独。
「Love」が上記例文のように、不可算名詞として、単独主語で使われている場合には、直後のbe動詞を「is」にする必要があります。
不可算名詞は単数扱いとなるため、三人称単数の主語として捉えましょう。
抽象名詞が可算名詞と不可算名詞の両方で使われる場合があるので、参考までに紹介しますね。引き続き「love」を使って進めます。
抽象名詞|例文
- You are my love.
- あなたは私の大事な人です。
上記の「love」は可算名詞です。「love(愛)」は抽象的なことなので、数えられないと考えるのが普通ですが、意味によっては数えることが出来るんですよ。
「love」を辞書で調べると、可算名詞と不可算名詞の両方が出てきます。(ジーニアス英和大辞典)
「愛」や「愛情」の意味では不可算名詞ですが、「大事な人」や「魅力がある人」という意味では、可算名詞なのです。
ここでもイメージを膨らますことが大切ですよ。「愛」や「愛情」は「目に見えない」「一定の形」がないものですよね。一定の形がなければ、1つ・2つと数えることが不可能。
名詞の「Love」が「大事な人」という意味では、一定の形を持っており1人・2人と数えられるので、可算名詞だとわかりますよ。
可算名詞の場合は、冠詞や所有格などで限定ができるため、「My love」と表せられるのです。
4 英語の名詞|物質名詞 ~ 分割して数えることができない
物質名詞とは、一定の形を持たない物質を表す名詞。例えば「water(水)」や「air(空気)」など。
water(水)には一定の形がなく、1つ・2つと数えることができませんよね。なので、不可算名詞として扱いますよ。
物質名詞|例文
- Water consists of hydrogen and oxygen.
- 水は水素と酸素から成り立っている。
上記では、不可算名詞の「water」が主語。不可算名詞は単数として扱われるので、動詞には三人称単数の「s」が必要です。
「Water」が冠詞や所有格なしで、単独で使われていることも重要ですが、主語に続く動詞が語形変化するかどうかも大切。(上記文では「consist」or「consists」)
時制を現在として表現する場合には、三人称単数に注目する必要がありますよ。主語の単複に合わせて動詞の形が変わるので、常に主語(名詞)の形を意識しましょう。
ちなみに1杯の水を表したい場合、「a water」や「one water」のような表現が出来ないため、「a glass of water(1杯の水)」と表さなければなりません。
「water(水)」は不可算名詞だから、1つを表す「a」が付けられない。「glass」は可算名詞であり1つ・2つと数えられるので、「a」をつけて表現が可能なのです。
5 英語の名詞|固有名詞 ~ それのみに与えられた名称
固有名詞とは、特定の人名・国名・地名などを表現する、それのみに与えられた名称を表す語。
例えば「Mary(人名)」や「Japan(国名)」「Tokyo(地名)」などの類。
固有名詞は、抽象名詞や物質名詞と同じく、一般的に不可算名詞として使われるので、1つ・2つと数えることができません。
なので英文中で固有名詞の主語に対応する動詞は、その動詞の語尾を変化させる必要がありますよ。(現在形の場合・不規則変化の時もある)
固有名詞|例文
- Tokyo has many places to see.
- 東京には見るべき場所がたくさんある。
上記では「Tokyo」が固有名詞であり、特定の地名を表現していますね。
固有名詞は不可算名詞として扱うため、「a Tokyo」「two Tokyo」のように、1つひとつ数えることが出来ません。
固有名詞も不可算名詞の単数主語となるので、対応する動詞が「have」ではなくて、「has」になっています。
上記例文のように、主語に来る名詞に応じて、動詞の形が決定するので、三人称単数現在形の知識が鍵になると思います。
知識を組み合わせたい方は、以下記事を参考にしてください。
6 英語の名詞|代名詞 ~ 代わりの名詞
代名詞とは、特定または一般の名称を使わないで、人・こと・もの・場所などを直接に指示する語のこと。
代名詞は名前の通り、「名詞の代わりをする言葉」です。大きく分けると人称代名詞と指示代名詞に分けられますよ。
人称代名詞とは、人物を表す代名詞のこと。中学で学ぶ「I my me mine」が有名ですね。
指示代名詞とは、人称代名詞に対して、もの・こと・場所などを指して表すために使うもの。例えば「this」や「that」など。
代名詞|例文
- I have a car. It is very expensive.
- 私は車を持っています。それ(車)はとても高価です。
上記英文では、代名詞「It」が「a car」のことを指していますよ。「A car is very expensive.」のような表現をすると、スマートな印象にならないのです。
英語では同じ言葉を繰り返さない方が、スマートな印象を持たれます。なので言い換え(パラフレーズ)が頻繁に使われますよ。
単に1文目で「a car」について述べているため、話し手と聞き手の間に「共通認識」が生まれた。その結果、「代名詞」を使ってシンプルに表現しているとも捉えられますね。
英語の名詞|使い方
名詞は英文中で、主語と補語、目的語になることができます。
例文を参考として解説するので、名詞が置かれる位置に注目しましょう。
1 英語の名詞|主語の位置
名詞|主語の例文
- Mary likes soccer.
- メアリーはサッカーが好きです。
上記英文では、名詞の「Mary」が主語の役割を果たしています。主語「Mary」は動詞「likes」の主体を表す部分。主語は、文の先頭に置かれ、「誰が」「何が」に当たる部分をいう。
英語では単語を並べる順番が最も大切です。「likes Mary soccer.」のような語順では、完全に不成立ということ。
2 英語の名詞|補語の位置
名詞|補語の例文
- My sister is a teacher.
- 私の妹は教師です。
上記英文では、名詞の「a teacher」が補語の役割をしていますよ。「SVC」の第2文型では「主語=補語」の関係性。
「My sister」=「a teacher」の関係性が成立しているため、名詞の「a teacher」が補語の役割をしているとわかるのです。
3 英語の名詞|目的語の位置
名詞|目的語の例文
- I study English.
- 私は英語を勉強します。
上記英文では、名詞の「English」が動詞「study」の目的語。
目的語とは、他動詞の表す動作をこうむる人や事物を表す語のこと。
「I study(私は勉強する)」まで表した場合、「何を勉強するの?」という疑問が浮かびますよね。この「何を?」に当てはまる名詞のことを目的語と考えましょう。
「study(勉強する)」の向かう対象(目的語)が必要だと考えてもいいかもしれません。
目的語の位置に置かれるのが名詞であり、「I English study.」のように、勝手に語順を変えてはいけません。
4 英語の名詞|前置詞の目的語
前置詞の目的語|例文
- I live in Tokyo.
- 私は東京に住んでいます。
上記英文では、前置詞「in」の目的語が「Tokyo(名詞)」となっていますよ。前置詞は「前置詞+名詞」のセットで使うルールがあります。
文構造の理解が大切なので、「I live」が完全文、「in Tokyo」が修飾箇所であることも同時に抑えておきましょう。
英語の名詞|可算名詞と不可算名詞
名詞の種類に対する解説中で、可算名詞と不可算名詞について述べてきましたが、改めて深く掘り下げますね。
英語の名詞には、可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)が存在します。
名詞が一定の形を持っており、1つ・2つと数えられるかどうかが重要なので、名詞の形や数に焦点を当てますね。
1 英語の名詞|可算名詞 ~ 数えられる名詞
可算名詞(countable noun)とは、英語で、名詞を数に関する使い方の観点から分類したもの。※「countable(数えられる)」「noun(名詞)」
単数と複数の対立が可能とみなされるものを指し、一定の形や限界を持っているため、1つ、2つと数えることができますよ。
この記事で紹介した、普通名詞と集合名詞が「可算名詞」に属していますね。
電子辞書で名詞の「book」を調べると、最初に「C」という文字が記載されています。(「C」とは「countable noun」のこと)
可算名詞の「book」は一定の形を持っており、さらに「a book」「two books」のように、1つ・2つと数を数えることができますよ。
一定の形を持っており、1つ・2つと数えることが出来れば、可算名詞だと考えましょう。
可算名詞|例文
- 1 I have a book.
- 私は1冊の本を持っています。
- 2 I have two books.
- 私は2冊の本を持っています。
例文1のように、可算名詞が単数の場合には、「a book」や「the book」「my book」と表す必要がありますよ。
「book」単独で表すことが出来なく、冠詞や所有格で限定しなければならないのです。
「I have book.」と表現してしまうことがあるので、注意しましょう。
さらには例文2のように、可算名詞は数えることができる名詞なので、名詞の直前に数字を付け足してもOK。
ただし「two books」「three books」のような、複数形にした場合は、名詞の語尾に「s」を付けるというルールがあり。
2 英語の名詞|不可算名詞 ~ 数えられない名詞
不可算名詞(uncountable noun)とは、英語で、名詞を数に関する使い方の観点から分類したもの。
可算名詞の反対であり、一定の形や限界を持たないため、数の観念が適用できないもの。
簡単に言うと、不可算名詞は一定の形を持っていないので、1つ・2つと数を数えることができないのです。形が定まっていなければ、数を数えることは不可能ですよね。
例えば、「water(水)」を辞書で調べると、最初に「U」という記載がありますよ。
「U」は「uncountable(数えられない)」「noun(名詞)」の略。
名詞を辞書で調べると、最初に「C」か「U」の記載があるので、可算名詞か不可算名詞の区別が大切な知識です。
不可算名詞|例文
- I like coffee.
- 私はコーヒーが好きです。
上記英文では、「coffee」が不可算名詞なので、「coffee」単独で使うことが可能。
「coffee」は「water」と同じく、一定の形を持っていないので、1つ・2つと数を数えることができません。
イメージしてみればわかるのですが、液体には一定の形がありませんよね。逆に液体を数えたい場合には、コップに入れればOK。
「a cup of coffee(1杯のコーヒー)」「a cup of water(1杯の水)」など。
「I like a coffee.」や「I like two coffees.」のような表現はできないので気をつけましょう。
英語の名詞|単数と複数の判別
可算名詞は1つ・2つと数を数えられるため、1であれば単数、2以上であれば複数形として扱いますよ。
例えば「a book」や「the book」であれば、名詞の単数形。「two books」や「many books」であれば、名詞の複数形。
可算名詞の単数形を複数形にするためには、名詞の語尾に「s」を付ければOK。原則として、語尾が変化して「s」が付いていれば、複数名詞の扱いとなります。
一方で語尾が変化していない場合は、単数名詞扱いになるので、常に名詞の形(語尾が変化しているかどうか)にフォーカスしましょう。
ちなみに日本語の意味で考えると、単数か複数かの判別ができなくなりますよ。
例えば、「everybody」は「みんな」という意味。「みんな」という日本語は、「人がたくさんいる」イメージですよね。
しかし、名詞「everybody」は、単数名詞扱いなのです。語尾に「s」が付いているかどうかで判断すべきですね。
1 英語の名詞|単数名詞の基本ルール
単数名詞|例文
- Everybody has secrets.
- 誰にでも秘密がある。
上記英文では、単数名詞扱いの「Everybody」が主語。
主語が単数の場合には、単数に応じて動詞を変化させる必要があります。
単数主語「Everybody」に合わせて、動詞が「has」に決定。「Everybody=みんな」という視点で考えると、「人がたくさんいるから複数形かな?」と思ってしまいますよ。
主語を複数形として考えると、「Everybody have secrets.」のような英文を作ってしまいますね。
どんな時も、名詞の語尾「s」に注目する必要があり、語尾が変化しているかどうかに注目しましょう。
時制が現在形のとき、主語となっている名詞が単数形か複数形かによって、動詞の形が決定しますよ。
「主語と動詞」の一致は一見簡単そうで、意外と間違えやすいのです。
2 英語の名詞|複数名詞の例外パターン
複数名詞|例文
- Many people visit here.
- 多くの人々がここに訪れます。
主語になっている名詞が、単数形か複数形かを見極めるためには、名詞の語尾に注目するべき、だと上述していきましたが、実際は例外もあります。
上記英文の主語「people」は、語尾に「s」が付いていないけれど、複数扱いの名詞ですよ。複数主語「people」に合わせて、動詞が「visit」の形。(動詞を原形のまま使う)
「Mary」などの単数主語の場合には、「Mary visits here.」のような文となりますね。(「visit」が語形変化して「visits」)
「people」は複数名詞扱いで、「人々」という意味。
元々複数の意味を持っている単語なので、「two people」や「Many people」の形にしても、「people」の語尾に「s」が付かないのです。
「s」は付いていないけれど複数扱いの名詞になる単語は、「people」の他にも「police」や「children」「men」「women」などがありますよ。
基本的には名詞の語尾変化に注目すべきですが、「people」のような例外もあるので注意すべき。
英語の名詞|まとめ
この記事では、英語の「名詞」の種類や使い方、可算名詞と不可算名詞の違い、単数形と複数形の判別について徹底解説していきました。
名詞が主語の役割をしている場合が、最も大切かなと。可算名詞や不可算名詞、「単数 or 複数」に関する知識を基に考える必要があるので。
私自身が初級者、中級者の頃を思い出しながら執筆したので、皆さんの学習参考になれば嬉しいです。
今回はこれで以上です。
読んで頂きありがとうございました。