英文法

英語の関係代名詞|「who」と「whom」「which」「that」「whose」の使い方を徹底解説

 

この記事では、英語の関係代名詞「who」と「whom」「which」「that」「whose」の使い方を徹底解説していきます。

関係代名詞の本質を理解するためには、英文の構造と修飾(具体化)の理解が最も大切。

関係代名詞が使われるときの文構造やルールを正しく理解していれば、TOEICや日常会話に生かすことができます。

私自身が英語学習初期の頃、修飾の意味すら正しく理解していなかったので、かなり噛み砕いて文法解説を行いますね。

それでは1つひとつ見ていきましょう。

 

英語の関係代名詞とは

 

関係代名詞は、人やモノなど名詞を「具体的」に表すときに用いります。

関係代名詞の本質は、名詞を修飾する(具体的に表現する)ことによって「説得性や妥当性」を高めること。

「修飾」=「具体化」と考えればスムーズに理解できますよ。

英語は結論ファーストで感情や事実、状況を表す言語なので、「名詞を述べる」→「名詞の具体的な情報を付け足す」の順番で英文が構成されるのです。

実際の英文と日本語訳を比較することによって、本質部分の理解が深まるので、「who」「whom」「which」「that」「whose」ごとに具体例を見ていきましょう。

 

英語の関係代名詞|種類と使い方

 

関係代名詞を正しく捉えるためには、具体化する名詞に応じて「who」「whom」「which」「that」「whose」を使い分ける必要があります。

主格(主語の役割)、目的格(目的語の役割)、所有格(所有の役割)で区別できるので、役割に合わせて理解すべき。

 

関係代名詞の使い分けの表

先行詞/格主格目的格所有格
人のときwhowhomwhose
人以外のとき(物・事)whichwhichwhose
何でも(人・物・事)thatthatwhose

 

  • 主格の場合は「主語」が欠けている
  • 「who」「which」「that」
  • 目的格の場合は「目的語」が欠けている
  • 「whom」「which」「that」
  • 所有格の場合は「所有格」が欠けている
  • 「whose」

 

関係代名詞のかたまりの中は、「不完全な文」になるというのが最大の特徴です。「不完全な文」とは、主語か目的語、所有格のどれか1つが欠けている文。

例文を参考としながら、「who」「whom」「which」「that」「whose」ごとに使い方を紹介していきます。

 

英語の関係代名詞「who」

 

関係代名詞には「who、that は使えるけれど、which は使えない」のような修飾のルールがありますよ。

主格の関係代名詞「who」について、文構造とルールを解説しますね。

 

主格「who」|例文

  • I like the girl who lives in Tokyo.
  • 私は東京に住んでいる女性が好きです。

 

上記英文は、SVOの第3文型で文が完成しており、「who lives in Tokyo」が副詞エリア(修飾語)になっています。

正しい英文は、「完全な文+修飾語」で構成されます。

 

  1. 「the girl」⇛ 先行詞(具体的に表したい名詞)
  2. 「who lives in Tokyo」⇛「the girl」の具体的情報

 

「who lives in Tokyo」節中では、関係代名詞「who」の直後に「lives」が来ており、主語が欠けていますね。

主格「who」のかたまり内では、必ず主語が欠けている不完全文になります。「who」が主語の役割をしているために、主語が欠けていると考えてOK。

「who」と「which」の使い分けとしては、上記例文では、「the girl」が「人」なので「who」を用いています。「that」を用いて修飾も可能です。

 

フォーカスすべきポイント

  •  関係代名詞のかたまりの中で、主語か目的語、所有格のどれが欠けているのか?
  •  修飾する名詞が「人」か「人以外」
  1.  I like the girl who lives in Tokyo.
  2.  I like the girl that lives in Tokyo.

 

使い分けには絶対的なルールがあるので、下記の表を暗記すべき。

先行詞/格主格目的格所有格
人のときwhowhomwhose
人以外のとき(物・事)whichwhichwhose
何でも(人・物・事)thatthatwhose

 

修飾については、「the girl」だけでは情報が少なく、より具体的な情報を伝えたいので、関係代名詞を使って詳しく説明しているのです。

関係代名詞の最大の役割は、名詞を具体的に表現すること。「修飾」「限定」「具体化」など、イメージしやすい日本語で理解しましょう。

 

英語の関係代名詞「whom」

 

目的格の関係代名詞「whom」について、例文を用いて文構造やルールを解説しますね。

 

目的格「whom」|例文

  1.  The girl whom I love is beautiful.
  2.  The girl who I love is beautiful.
  3.  The girl that I love is beautiful.
  4.  The girl I love is beautiful.

⇛ 私が好きな女性は美しいです。

 

上記例文1では、動詞「love」の目的語が欠けています。

日常会話では、目的格の関係代名詞「whom」が使われることは稀であり、省略されるのが自然です。

「whom」はフォーマルな堅苦しい表現であり、「who」は主格で使うことが多いので、関係代名詞が省略されるパターンに慣れるべき。

英語の関係代名詞「which」

 

主格「who」は主語の役割をしているために、関係代名詞のかたまり内で主語が欠けていましたね。

一方で「which」を用いるときは、「主格 which」と「目的格 which」が存在しますよ。

主語の役割をしている(主語が欠けている)場合と、目的語の役割をしている(目的語が欠けている)場合があるのです。

 

英語の関係代名詞|主格の「which」

 

主格「which」|例文

  • Tokyo is a city which attracts tourists.
  • 東京は観光客を魅了する都市です。

 

上記では、「SVC」の第2文型で文が完成しており、「a city」を具体的に表現したいために、「which」を使って情報を追加しています。

「which以下」は修飾語なので、完全文の外側だと考えましょう。「which」節中は「which+動詞+目的語」の文構造。

 

主格「which」の例文について、さらに理解を深めますね。

主格「which」|例文

  1.  Tokyo is a city which attracts tourists.
  2.  Tokyo is a city that attracts tourists.

 

上記では、先行詞(具体的に言いたい名詞)が「人以外」であり、関係代名詞の節中では「主語が欠けている」ので、主格の「which」が使えます。

シンプルな考えですが、先行詞が「人以外」であれば「who」を使うことができません。「who」を使えるのは、「人」を具体化するときだけだから。

 

英語の関係代名詞|目的格の「which」

 

次に目的語の役割をする目的格の「which」の解説をしていきますね。

目的格「which」|例文

  • I like the dress which she is wearing.
  • 私は彼女が着ているドレスが好きです。

 

上記は「SVO」で文が完成しており、「which she is wearing」が「the dress」を後ろから修飾しています。

 

英文構成の順序

  1. 「the dress」を具体的に言いたい
  2.   関係代名詞を使って具体化しよう
  3. 「the dress」は人ではなく「物」だから、「which」を使おう
  4. 「which」の中では名詞が欠けるな

 

このような考え方をすれば、長文を読むときや英文を作るときに、スムーズな処理ができますよ。

目的格の関係代名詞は、自然な英語表現の場合、省略されて書かれないことが多いです。

どのようなパターンがあるかを下記で確認しておきましょう。

 

目的格の関係代名詞|例文

  1.  I like the dress which she is wearing.
  2.  I like the dress that she is wearing.
  3.  I like the dress she is wearing.

 

上記3つとも全て文法的には正しいです。

しかし、関係代名詞が省略されている3番」が最も自然であり、TOEICや日常会話で頻繁に使われます。

長文を読み進めていく上で、1,2のような「名詞+関係代名詞」、3のような「名詞+名詞」の形に注目してみましょう。

 

英語の関係代名詞「that」

 

この記事では、「主格のwho」と「目的格のwhom」「主格のwhich」「目的格のwhich」の使い方を説明してきましたね。

これら4つ全てに共通することは、関係代名詞「that」で置き換えられることですよ。

関係代名詞「that」は万能だと言われますが、「主格のwho」「目的格のwhom」「主格のwhich」「目的格のwhich」の使い方をそれぞれ理解すべき。

今回使った例文を参考として比較してみましょう。

 

主格の「who」

  1.  I like the girl who lives in Tokyo.
  2.  I like the girl that lives in Tokyo.

⇛ 私は東京に住んでいる女性が好きです。

目的格の「whom」

  1.  The girl whom I love is beautiful.
  2.  The girl that I love is beautiful.

⇛ 私が好きな女性は美しいです。

主格の「which 」

  1.  Tokyo is a city which attracts tourists.
  2.  Tokyo is a city that attracts tourists.

⇛ 東京は観光客を魅了する都市です。

目的格の「which」

  1.  I like the dress which she is wearing.
  2.  I like the dress that she is wearing.

⇛ 私は彼女が着ているドレスが好きです。

 

1つひとつ比較することによって、頭の中が整理されますよ。全ての英文で「that」が使えるのです。

「人」を具体化するときでも、「物・事」を具体化するときでも、「that」で置き換えてOKですよ。

上記4つの使い分けを理解した上で、「that」でも応用できるように学習を進めましょう。

 

英語の関係代名詞「whose」

 

関係代名詞「whose」について、文構造やルールを紹介しますね。

関係代名詞のかたまりの中で主語や目的語が欠けていると、不自然な感じがして、不完全になっていることにすぐ気が付けます。

けれども、所有格が欠けており「不完全文」になっている場合は、意外と気が付きにくいんですよね。

なぜなら、冠詞や所有格の知識が正しく身についていなければ、「完全文」が成立していると勘違いするから。

関係代名詞「whose」が英文で使われているときは、先行詞がなんであろうと「所有格」が欠けていますよ。

主格と目的格の場合と同様に、例文を参考として理解を深めましょう。

 

「whose」の例文

  • She is my friend whose mother is beautiful.
  • 彼女は私の友達です。彼女の母は美しいです。

 

上記では「my friend」の「所有」について詳しく説明したいから、関係代名詞の「whose」を使っています。

「whose」の役割をしっかりと理解するために、2文に分けて考えましょう。

 

「whose」の役割

① She is my friend.

彼女は私の友達です。

② Her mother is beautiful.

彼女の母は美しいです。

①+② She is my friend whose mother is beautiful.

彼女は私の友達です。彼女の母は美しいです。

 

所有格「her」の代わりに関係代名詞「whose」を使って、1つの英文で表現されています。目的格の関係代名詞とは異なり、「whose」を省略することができません。

関係代名詞のかたまり中では、主語か目的語、所有格のどれかが欠けています。欠けに注目すると文構造の理解が深まりますよ。

 

まとめ|英語の関係代名詞

 

この記事では、英語の関係代名詞「who」と「whom」「which」「that」「whose」の使い方を徹底解説してきました。

関係代名詞が用いられるときの文構造を正しく理解していれば、長文を読むときやリスニング時に、スムーズな英文処理ができますよ。

何より、TOEICや日常会話で「関係代名詞」が使われている英文に頻繁に出会うので、本質を理解して知識を定着させましょう。

今回はこれで以上です。

読んで頂きありがとうございました。