英文法

英語の「三人称単数」|三人称単数現在形のルールと文構造を徹底解説

 

この記事では、英語の「三人称単数現在形」のルールと文構造について徹底解説していきます。

三人称単数現在形は、三単現のS とも呼ばれ、中学1年生で学ぶ文法事項ですね。

主語が三人称かつ単数で、動詞が現在形の場合には、その動詞の語尾に「s」や「es」「ies」を付ける必要があるのです。

とてもシンプルなルールなのですが、意外と間違いやすい内容なので、例文を参考としながら本質部分を追求しますね。

 

英語の三人称単数とは

 

英語の三人称とは、「I(私)」と「You(あなた)」以外の人・事柄を示すもの。

つまり、話し手(書き手)が一人称、聞き手(読み手)が二人称、話し手と聞き手以外が三人称。

「三人称(私とあなた以外)」「単数(数が1人・1つであること)」「動詞が現在形」という3つの条件が揃っていれば、動詞の語尾に「s」「es」「ies」を付けますよ。(※不規則変化の場合もある)

動詞の語尾に「s」「es」「ies」が付く場合(規則変化)と、動詞の形が完全に変わる場合(不規則変化)の4パターンがあるので、1つひとつ見ていきますね。

 

1 英語の三人称単数|語尾に「s」

 

主語が三人称単数で、動詞が現在形の場合において、その動詞の語尾に「s」を付ける場合を紹介しますね。

 

三人称単数|例文

  • He likes soccer.(三人称単数現在)
  • 彼はサッカーが好きです。
  • I like soccer.(一人称)
  • You like soccer.(二人称)

 

三人称単数の英文では、「He(主語)」が「 I(私)と You(あなた)」以外の「1人(単数)」ですよね。

さらに動詞を現在形として表すため、「三人称」「単数」「現在形」という3つの条件が揃っていますよ。

三人称単数現在の例文では、主語(He)が三人称単数(私とあなた以外の1人)なので、動詞「like」が「likes」に変化。語尾に「s」を付けているのです。

一方で、主語が「 I(一人称)」と「 You(二人称)」には、動詞が「like」のままで語形変化していません。

英語の三人称単数を考えるときは、とにかく「 I(私)と You(あなた)」以外の「1人・1つ(単数)」を意識すべき。

 

「He(彼)」「She(彼女)」「It(それ)」「Mary(メアリー)」「a book(1冊の本)」「Tokyo(1つ)」は、全て三人称単数の主語。

「1人の人」以外に「1つのもの」や「1つのこと」も、三人称単数に当てはまるので注意しましょう。

主語が三人称単数のときには、基本的に動詞の語尾に「s」を付ければOKですが、動詞によっては「es」や「ies」を付ける場合があります。

動詞の語尾に「es」と「ies」を付ける場合には、決まっている法則があるので以下で紹介しますね。

 

2 英語の三人称単数|語尾に「es」

 

三人称単数現在形の英文で、動詞の語尾に「es」を付ける場合を紹介しますね。

語尾が「o, s, x, ch, sh」で終わる動詞には、「es」を付けるというルールがありますよ。

 

三人称単数|例文

  • Mary teaches me English.
  • メアリーは私に英語を教える。

 

上記英文では、「Mary」が「私とあなた以外の1人の人」なので、三人称単数だとわかる。さらに動詞を現在形で表すため、三人称単数現在形が完成。

上記では、動詞の「teach」が「teaches」に変化。「teach」の語尾が「ch」で終わっているので、語尾に「es」に付けて「teaches」が完成。

主語が私(一人称)であれば、「I teach Mary English.(私はメアリーに英語を教える)」になりますし、あなた(二人称)であれば、「You teach me English.(あなたは私に英語を教える)」という文になりますよ。

つまり、話し手(一人称)と聞き手(二人称)が主語の場合には、動詞の原形を使うのです。上記2文であれば、動詞「teach」を原形としてそのまま使うということ。

ちなみに主語が複数(We・Theyなど)」の場合には、人称に関わらず動詞はそのまま(原形のまま)使います。

「I・You」は動詞の原形、「I・You」以外の単数は動詞が変化した形、「I・You」以外の複数は動詞の原形を使うのだ、と覚えましょう。

 

3 英語の三人称単数|語尾に「ies」

 

三人称単数現在形の英文で、動詞の語尾に「ies」を付ける場合を紹介しますね。

動詞の語尾が「子音字+y」のときには、「y」を「i」に変えてから「es」を付け足す。(子音字とは母音字「aiueo」以外)

 

三人称単数|例文

  • My sister studies English.
  • 私の妹は英語を勉強します。

 

上記英文では、「My sister(私の妹)」が三人称単数の主語なので、「study」が「studies」に変化しています。

「My sister(私の妹)」は、I(私)と You(あなた)以外の1人(単数)なので、三人称単数だとわかりますよ。

動詞の「study」の語尾が、「 d(子音字)+ y 」になっているので、「y」を「i」に変えて「es」を付けます。その結果、「studies」が完成。

「My sister」が「私とあなた以外の1人の人」なので、三人称単数だと判断するのが最も大切ですが、時制が現在の場合に上記の語形変化が起こります。

「三人称 単数 現在形」では、主語が「三人称(私とあなた以外)」「単数(数が1人・1つ)」であり、さらに動詞が「現在形」の時にその動詞の語尾が変化します。なので3つの要素が関係していると考えましょう。

 

ちなみに現在形では現在のことだけを言うのではなくて、「現在・過去・未来」に渡って定期的に行われることを表現しますよ。

My sister studies English.(私の妹は英語を勉強する)」では、妹が普段から英語を勉強していることを表しており、勉強の習慣があることを強調しています。

「現在・過去・未来」に渡って、絶えず英語を勉強しているのようなニュアンス。現在形の理解を深めたい方は、以下記事を参考にしてください。

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4 英語の三人称単数|不規則変化

 

これまで三人称単数現在のときに、動詞の語尾が規則的に変化する場合を紹介してきましたね。

しかし、動詞の語尾が規則的に変化する場合に加えて、不規則に変化する場合もあるのです。下記では最も有名な「have」を用いた例文をご紹介しますね。

動詞の現在形「have」を三人称単数主語で使う場合には、「have」が「haves」に変わるのではなくて、「have」が「has」に変わります。これまでの規則性を成していないのです。

このような不規則変化のパターンはそれほど多くないので、出会った時に覚えればOK。

 

三人称単数|例文

  • My mother has a dog.
  • 私の母は犬を飼っています。

 

上記英文では、「My mother(私の母)」が「私とあなた以外の1人の人」なので、三人称単数の主語だと判断可能。さらに時制が現在のため、動詞「have」が「has」に語形変化しています。

主語が「私とあなた以外の1人の人」であるかどうか、時制が「現在・過去・未来」の中で、現在形で表されているかどうかにフォーカスしましょう。

 

英語の三人称単数|文構造

 

三人称単数現在形を文構造を「肯定文・疑問文・否定文」に分けて、1つひとつ解説しますね。

規則変化と不規則変化で見てきたとおり、主語が三人称単数で時制が現在形の場合に、動詞の形が変わります。

さらに疑問文と否定文では、助動詞の「does」を使う必要があるので、以下で例文と一緒に詳しく紹介していきます。

 

1 英語の三人称単数|肯定文

 

三人称単数|肯定文

  • Mary likes soccer.
  • メアリーはサッカーが好きです。

 

上記の肯定文では、主語の「Mary」が三人称単数。時制が現在なので、動詞「like」が「likes」に変化。

英文の構造は、「Mary(主語)+likes(動詞)+soccer(目的語)」の第3文型となっています。

英語で最も大切な知識は文構造(語順)なので、改めて意識してみましょう。

 

2 英語の三人称単数|疑問文

 

三人称単数現在形で疑問文を作るときは、文頭に助動詞の「Does」を置いてから、動詞の語尾に付いている「s」「es」をとります。(動詞の原形に戻すということ)(不規則変化「has」の場合は「have」に戻す)

英文の構造や動詞の語形変化を正しく理解するために、肯定文と疑問文を比較しながら掘り下げますね。

 

三人称単数|肯定文

  • Mary likes soccer.
  • メアリーはサッカーが好きです。

三人称単数|疑問文

  • Does Mary like soccer?
  • メアリーはサッカーが好きですか。

 

「Does Mary like soccer?(疑問文)」では、主語の「Mary」の前に「Does」が置かれています。

疑問文にする場合には、肯定文の先頭に助動詞の「Does」を置いてから、動詞を原形に戻す必要がありますよ。

「Does Mary like soccer?(疑問文)」の動詞「like」は「s」が付いていない「元の形」だとわかりますよね。

「Does Mary likes soccer ?」のように、主語の前に「Does」を置いて疑問文の形に出来ているけれど、動詞が変化した形「likes」のままにしていることがあるので、疑問文の時は動詞の原形に戻すことを思い出しましょう。

 

3 英語の三人称単数|否定文

 

三人称単数現在形で否定文を作るときは、「does not(doesn’t)」を動詞の前に置いてから、動詞の語尾に付いている「s」「es」をとります。(動詞の原形に戻すということ)(不規則変化「has」の場合は「have」に戻す)

疑問文の時と同様に、肯定文と比較しながら否定文の構造理解を深めて行きますね。

 

三人称単数|肯定文

  • Mary likes soccer.
  • メアリーはサッカーが好きです。

三人称単数|否定文

  • Mary doesn’t like soccer.
  • メアリーはサッカーが好きではない。

 

上記否定文では、動詞「like」の直前に「doesn’t」が置かれています。一般的には「does not」の短縮形である「doesn’t」を使うことが多いですよ。

文構造の理解が最も大切であり、「Mary(主語)」と「like(動詞)」の中間に「doesn’t」が登場するのだ、と捉えましょう。

もしくは「like(動詞)」の直前に「doesn’t」が置かれると考えればOK。

 

助動詞の「doesn’t」を使った場合は、肯定文での動詞「likes」が「like」に戻っていることを確認すべき。

「likes」の「s」をとって「like」に戻す、でもいいですし、語形変化した形「likes」を動詞の原形「like」に戻す、と考えてもいいでしょう。

三人称単数主語だけに注目すると、「Mary doesn’t likes soccer.」のような間違いをしてしまいますよ。

疑問文で「Does」、否定文で「doesn’t」を使ったら、動詞を元の形に戻すことを自身に刻み込みましょう。

 

英語の三人称単数|不可算名詞

 

英語の三人称単数主語とは、「私とあなた以外の1人・1つ」であることを述べてきましたね。

主語になれる名詞には、可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)があります。

可算名詞は、その名前の通り数を数えることができるので、1人・1つだとすぐに判断できますよ。

名詞の前に「a」「the」などを付けて、限定することが可能。(単数であることを表現)

 

一方で不可算名詞は、抽象的な名詞や一定の形を持たない物質名詞、固有名詞のことを指し、数を数えることが出来ません。(「1つ・2つ・3つ」と数えられない)

数えられない場合(不可算名詞)は、名詞の前に「a」「the」が付いて単数を表したり、名詞の語尾に「s」が付いて複数を表したりすることが出来ないのです。

主語が不可算名詞のときには、その主語を三人称単数の主語として扱いますよ。

なので、「不可算名詞(主語)+動詞の現在形(語形変化 = 語尾に「s」「es」など)」の形になります。

実際にどのような英文で不可算名詞が使われているのか、例文を参考として解説しますね。

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1 英語の三人称単数|抽象名詞

 

不可算名詞が主語で使われて、時制が現在の場合には、三人称単数現在の「s」が必要となりますよ。

不可算名詞にも種類があり、抽象名詞や物質名詞、固有名詞は、数が数えられないです。なので、これらの名詞は常に「単数」として扱われるんですよね。

抽象名詞で有名なものには、「愛(love)」や「平和(peace)」「アドバイス(advice)」「情報(infomation)」などがあります。

例えば「愛(love)」の形を具体的にイメージすることって出来ませんよね。具体的な形をイメージできなければ、不可算名詞だと捉えましょう。

 

「抽象名詞」の例文

  • Love is blind.
  • 愛は盲目。

 

上記英文では「Love(愛)」が主語。「Love」が抽象名詞(不可算)なので、be動詞「is」が使われています。

三人称単数現在形で「be動詞」を使う場合には、「is」を使うので注意しましょう。

 

2 英語の三人称単数|物質名詞

 

不可算名詞の中には、一定の形を持たない物質名詞があります。

例えば、「water(水)」や「air(空気)」「milk(牛乳)」「money(お金)」など。

「water(水)」をイメージするとわかりやすいですが、水には一定の形がありませんよね。なので、1つ・2つと数えることができないのです。

 

物質名詞|例文

  • Water consists of hydrogen and oxygen.
  • 水は水素と酸素から成り立っている。

 

上記は「Water(水)」が主語。「Water」は「一定の形を持たない名詞(不可算名詞)」なので、主語として使う場合には、動詞を「語形変化」させる必要がありますよ。(動詞の語尾に「s」「es」など)

例文では、動詞の原形「consist」が、語形変化して「consists」となっています。

「consist」の語尾に「s」が付いている。「不可算名詞」が主語のときには「動詞の形」に注意しましょう。

 

3 英語の三人称単数|固有名詞

 

不可算名詞の中には、「抽象名詞」と「物質名詞」に加えて「固有名詞」があります。

「固有名詞」とは、「特定の人名・地名・国名・書名」を表現している「それのみに与えられた語」のこと。

例えば、「Mary(メアリー・人名)」「Japan(日本・国名)」「Tokyo(東京・地名)」など。

 

固有名詞|例文

  • Tokyo has many places to see.
  • 東京には見るべき場所がたくさんある。

 

上記では、固有名詞「Tokyo(東京)」が主語。固有名詞は数えられないもの(不可算名詞)なので、動詞「have」が「has」に変化。

不可算名詞は単数主語として扱われるため、三人称単数における動詞の語形変化が伴うのです。

英語の文法(ルール)を正しく理解していれば、瞬時に対応可能ですが、大まかなイメージでも「1つの東京・2つの東京」のように、1つひとつ数を数えることは出来ない、とわかりますよね。

 

まとめ|英語の三人称単数

 

この記事では、英語の三人称単数現在形のルールと文構造について徹底解説してきました。

主語が三人称単数(私とあなた以外の1人・1つ)であり、時制が現在の場合に、動詞の語尾に「s」「es」「ies」が付いたり、「have」が「has」に不規則に変わったりするルールが最も大切な知識かなと思います。

さらには三人称単数現在形における「Does(疑問文)」と「doesn’t」(否定文)の文構造を紹介しましたよね。

本質的な英語力を上げるためには、英文の構造を正しく把握することが必要です。常に文構造からのアプローチを試みましょう。

今回はこれで以上です。

読んで頂きありがとうございました。