この記事では、英語の使役動詞と「SVO to do」について徹底解説していきます。
英語の使役は、TOEICの長文中や文法問題でも頻繁に使われているため、正しく理解することが大切です。
使役は「お願いや要求」をするときに使えるため、日常会話に生かすことが可能ですよ。
使役動詞の「let」「make」「have」を1つずつ紹介していき、最後には構文として覚えるべき「SVO to do」の本質を紹介しますね。
それでは1つひとつ見ていきましょう。
英語の使役とは
英語の使役とは、相手に動いてもらうための言い方、やり方のこと。
「させる」「してもらう」という意味で、「要求や命令、お願い」を表せます。
使役のパターンとして、使役動詞と使役の構文に分けて覚えましょう。
使役動詞には「let」「make」「have」の3つがあり、使役構文が「SVO to do」の型をとりますよ。
英語の使役動詞
使役動詞には「let」「make」「have」の3種類があり、「〜させる」「〜してもらう」という日本語訳は共通していますが、ニュアンスが大きく異なります。
要求を出す側と受ける側の関係性によって、使い分ける必要があるので、正しい使い方を覚えるべき。
使役動詞「let」「make」「have」は、意味上すでに使役の意味を持っている動詞となります。
ニュアンスの具体的な違いを1つひとつ説明してきますね。
1 使役動詞「let」
まず「let」の文構造とニュアンスを紹介しますね。「let」を使うときの文構造を正しく理解しましょう。
「S(主語)+ let(動詞)+O(目的語)+ do(動詞の原形)」の順番で構成。
文型としては「SVOC」の第5文型となりますが、使役の文構造を理解して覚えるときには、どれにも当てはまらない「新しい文型」として考えたほうがスムーズに理解ができますよ。
文構造の理解が最も大切であり、目的語の後に「動詞の原形」が来ることを必ずおさえましょう。
文構造を正しく理解してから、ニュアンスの違いを把握することが大切です。
例文を使って「let」のニュアンスを見ていきますね。
「let」は「自由に、あるがまま好きなようにさせる」というニュアンス。
「let」の例文
- My mother let me go to the party.
- 母は私がパーティーに行くことを許した。
⇛ パーティーに行きたいと言っている私の好きにさせた。
「let+目的語+動詞の原形」の文構造を正しく理解してから、「好きなように〜させる」という核のイメージを考えてみましょう。
2 使役動詞「make」
次に「make」の文構造とニュアンスを紹介しますね。
さきほどの「let」と同様の文構造となっており、「S(主語)+ make(動詞)+O(目的語)+ do(動詞の原形)」の順番で構成。
最大のポイントとしては、目的語の後に動詞の原形しか来れないということ。
「make」のニュアンスに関して、例文を用いて説明します。
「make」の例文
- My mother made me go to the party.
- 母は私をパーティーに行かせた。
⇛ 母が私を強制的にパーティーに行かせた。
「made+目的語+動詞の原形」の文構造となっていることを確認してから、ニュアンスを考えていきましょう。
「make」は、「無理やり、強制的に〜させる」というイメージ。
それに応じて、要求する側と受ける側の関係性が大切。例えば、母が子どもに対して「強制的に〜させる」ということは成立しますが、逆であれば成立しません。
「相手の意志に関係なく、無理やり行動を促す」ことに繋がるので、使う場面と関係性を考えましょう。
3 使役動詞「have」
最後に「have」の文構造とニュアンスを紹介します。文構造としては2パターンありますよ。
- S(主語)+ have(動詞)+O(目的語)+ do(動詞の原形)
- S(主語)+ have(動詞)+O(目的語)+ done(過去分詞)
文構造を見極めるときは、目的語の有無で判断するのがいいでしょう。
過去分詞「done」が使われている場合は、直後に目的語がないことが多いです。
「have」のニュアンスを例文を使って見ていきますね。
「have」の例文
- My mother had me go to the party.
- 母は私をパーティーに行かせた。
⇛ 普段立場が上である母が、私をパーティーに行かせた。
「had+目的語+動詞の原形」の文構造になっていることを確認してから、ニュアンスを考えていきましょう。
文構造を確認する理由は、正しい文構造の把握がリーディング力とリスニング力の向上に繋がるから。
「have」には「相手の行動を所有する」という核のイメージがあります。
なので、社会的に立場が上である人が下の人に使いますよ。「所有しているから要求を聞いてもらって当然」というニュアンス。
日常会話においては、使役の「have」を使うシチュエーションと、相手との関係性をしっかりと考えるべき。
英語の使役構文「SVO to do」
これまで紹介してきた使役動詞に続いて、ここからは使役の構文について徹底的に掘り下げていきますね。
使役構文とは、「SVO to do」の型で構成されている英文のこと。
「SVO to do」⇛「主語+動詞+目的語+to不定詞+動詞の原形」
日本語訳は、使役動詞と同様に「〜させる」「〜してもらう」といった「要求・お願い」の意味となります。
TOEICでは「SVO to do」の英文が答えの根拠となることもあり、コミュニケーションにおいては、色々な言い方で相手に要求やお願いをすることが求められますよ。
要素(品詞)ごとの役割は、以下の通り。
- S → 要求やお願いをする人
- V → 要求の程度、ニュアンス
- O → 要求を受ける人
- to do → 要求の内容
さらに具体的なイメージをするために、例文を使って本質を見ていきますね。
「SVO to do」の例文
- I would like you to study English.
- 私はあなたが英語を勉強することを望んでいます。
上記例文における、品詞ごとの役割が以下の通り。
- 私 → 要求を出す人
- 望む → 要求の程度
- あなた → 要求を受ける人
- 勉強する → 要求の内容
上記のように役割を理解した上で、「SVO to do」の文構造で理解するのが最適ですが、「O to do」の箇所が「SV」の主述関係で成り立っていると考えるのもいいでしょう。
「O→要求を実行する人」「to do 以下→実行の内容」のような考え方。
「SVO to do」の使役構文においては、「V」の日本語訳がわからなかった場合でも、大まかに意味を捉えることが可能です。
「SVO to do」の文構造をとる動詞には特定の単語がありますが、「V」の大まかな意味は「〜させる」「〜してもらう」になります。
英語は構造によって大まかな意味が決定するので、文型分けが大切ですよ。
参考までに、よく見かける「SVO to do」の型を紹介しますね。
「SVO to do」|頻出パターン
- encourage O to do
- would like O to do
- require O to do
- remind O to do
- expect O to do
- enable O to do
- permit O to do
- advise O to do
- invite O to do
- allow O to do
- need O to do
- want O to do
- ask O to do
上記はすべて「SVO to do」の型になっており、動詞「V」が異なっているだけ。
動詞「V」によって要求の程度・ニュアンスが変化しますが、本質としては「〜させる」「〜してもらう」の意味となるので、長文で出会ったときは大まかなイメージで捉えれば読み進められます。
まとめ|英語の使役が重要表現
この記事では、英語の「使役動詞」と使役の構文「SVO to do」について解説してきました。
英語の「使役」は相手に自分の要求やお願いを上手に伝えられる英語表現であり、それゆえにコミュニケーション能力にフォーカスしているTOEICで頻出な英文法です。
今回紹介した使役動詞「let」「make」「have」と、「SVO to do」の文構造とニュアンスを理解すれば、ピュアな英語力が高まりますよ。
今回はこれで以上です。
読んで頂きありがとうございました。