この記事では、英語の「代名詞」の種類と使い方について例文を参考にしながら説明してきますね。
代名詞の中で、人称代名詞と所有代名詞、再帰代名詞、指示代名詞、不定代名詞、疑問代名詞、関係代名詞の使い方や文構造、文中での役割を徹底的に解説するので、7種の代名詞に関する理解が深まるはず。
代名詞は名前の通り、先行する名詞の代わりをする言葉のことですよ。
同じ名詞を繰り返さないほうがスマートな英語表現になるので、英文中に代名詞が登場することが多いです。
正しいルールのもと代名詞を使うことで洗練された英語表現が可能になるので、種類と使い方を刻み込みましょう。
英語の代名詞とは
英語の代名詞とは、特定または一般の名称を用いらないで、「人やもの、こと、場所」などを直接に指示する語。
例えば、「Mary(メアリー)」のことを「She(彼女)」に置き換えて、表現できますよ。
代名詞|例文
- Mary likes English. She wants to be a teacher.
- メアリーは英語が好き。彼女は教師を目指している。
話し手と聞き手の間に「共通認識」があれば、特定の名詞を「代名詞」に置き換えて表現可能なのです。代名詞に置き換えて表現したほうが、スマートな印象になりますよ。
「Mary likes English.」「Mary wants to be a teacher.」のように連続して「Mary」を使うと、くどい感じがしますよね。
なので名詞「Mary」を代名詞の「She」に置き換えることで、スマートかつ自然な英語表現になるのです。
英語の「代名詞」には種類があり、人称代名詞と所有代名詞、再帰代名詞、指示代名詞、不定代名詞、疑問代名詞、関係代名詞の7種類がありますよ。
7種類の代名詞に対して、1つひとつ例文を参考にしながら使い方を解説するので、理解が 深まると思います。
英語の代名詞|人称代名詞
人称代名詞とは「人」を指し示す代名詞のこと。
文中で「主語」と「所有」「目的語」として働くので、役割に注目しましょう。
例えば、文中で「I」が主語の役割、「my」が所有の役割、「me」が目的語の役割を果たしますよ。
- 代名詞が主語の役割 ⇛ 主格
- 代名詞が所有の役割 ⇛ 所有格
- 代名詞が目的語の役割 ⇛ 目的格
人称代名詞は、人称ごとに用いる代名詞を使い分ける必要があります。
1人称と2人称、3人称によって、使う代名詞が異なるということ。使い分けは以下の表を参考にしてください。
人称代名詞の一覧
主格 | 所有格 | 目的格 | |
1人称単数 | I | my | me |
1人称複数 | we | our | us |
2人称単数 | you | your | you |
2人称複数 | you | your | you |
3人称単数 | he | his | him |
she | her | her | |
it | its | it | |
3人称複数 | they | their | them |
1 英語の代名詞|主格の人称代名詞
人称代名詞が文中で主語の役割をする場合を、例文を使って見ていきます。
ここでは、代名詞「She(彼女は)」に限定して解説しますね。
人称代名詞|例文
- Mary plays soccer. She is a good player.
- メアリーはサッカーをしている。彼女は良い選手です。
上記では1文目の主語「Mary」を、2文目では代名詞の「She」に置き換えられていますね。
「Mary plays soccer.」「Mary is a good player.」のように、繰り返して「Mary」を使わないのが自然ですよ。
1文目で「Mary」に対する共通認識ができるため、2文目では代わりの名詞を使ってスマートに表現しているのです。
主語の役割ができる「She」は先行する女性の名詞を指して、「彼女は」「彼女が」と表せます。
さらに、代名詞を主格(主語の役割)と所有格(所有の役割)、目的格(目的語の役割)に分けて覚えましょう。
上記英文では「She(主格)」が「主語」の役割を果たせるので、主語「Mary」の代わりができるのです。
「She」が主語、「her」が目的語、「her」が所有格の働きをして、先行する名詞の代わりをするのだ、と覚えるべき。
人称代名詞|例文
- ○ She is a good player.
- × Her is a good player.
主格「She」が主語の位置、目的格「her」は目的語の位置に置かれるため、文構造も意識して使い分けましょう。
主語の位置に、目的語の役割をする「her」を置いてはいけません。
2 英語の代名詞|目的格の人称代名詞
人称代名詞が文中で目的語の役割をする場合を、例文を使って見ていきます。
代名詞「He」の目的格である「him(彼を・彼に)」に限定しますね。
人称代名詞|例文
- Ken is cool. I love him.
- ケンはかっこいい。私は彼を愛している。
上記では目的格の代名詞「him」が、先行する男性名詞の「Ken」を指し示しています。
「Ken is cool.」「I love Ken.」のように繰り返すとスマートではないので、「Ken」を「him」に置き換えて表現しているのです。
話し手と聞き手の間に「共通認識」があるから、「代名詞」に置き換えて自然に表しているとも捉えられますね。
上記「him」を含め代名詞は、先行する名詞の代わりをする場合と、文脈からそれとわかる場合があります。
話の流れで「明らかに〈彼が〉誰かわかっている」場合には、1文目で「I love him.(私は彼を愛している)」と表してOK。
「him(所有格)」は文中で目的語の役割をするので、動詞の直後や前置詞の直後に置かれますよ。
「I love him.」において、代名詞「him」が動詞「love」の目的語の役割を果たしているのです。役割を理解していれば、文の中で置かれる位置が判断できますよ。
「男性(彼)」を代名詞で表すときは「He」が主語の役割する、「his」が所有の役割する、「him」が目的語の役割する、と捉えましょう。これらの役割に応じて置かれる位置が決定するので。
人称代名詞|例文
- ○ I love him.
- × I love he.
- × I love his.
3 英語の代名詞|所有格の人称代名詞
人称代名詞が所有の役割をする場合を、例文を使って見ていきます。「her(彼女の)」に限定して解説しますね。
「she」の所有格「her」は、名詞の前で形容詞的に働きますよ。
「her mother(彼女の母)」のように「所有格+名詞」のセットで表現されます。
人称代名詞|例文
- I’m dating Mary. I know her mother.
- 私はメアリーと付き合っている。彼女の母を知っている。
上記では、所有格「her」が先行する「Mary」を指していますよ。
「Mary’s mother(メアリーの母)」ではなくて、「her mother(彼女の母)」とスマートに表現できるのです。
前文で「女性の名詞」が表されている場合と、話の流れや状況で「どの女性を指しているか?」がわかる場合があります。
代名詞「her」は、文中で所有格と目的格として働きますよ。「I like her.」のように、「目的語の位置」に来る場合もあるので注意すべき。
「She」が主語の役割、「her」が所有と目的語の役割を果たします。「代名詞」が持っている役割に応じて、文中で置く位置を決めましょう。
英語の代名詞|所有代名詞
これまで人称代名詞の主格と目的格、所有格について解説してきましたね。
人称代名詞の所有格と同じく、英語の所有代名詞を使うと「〜のもの」を表せますよ。
「It is mine.(それは私のものです)」のように、「自分のものとして持っていること」を表現できるのです。
所有代名詞の一覧
所有代名詞 | |
1人称単数 | mine |
1人称複数 | ours |
2人称単数 | yours |
2人称複数 | yours |
3人称単数 | his |
hers | |
its | |
3人称複数 | theirs |
1 英語の代名詞|所有格 vs 所有代名詞
実際の例文を参考として、人称代名詞の所有格と所有代名詞の違いを見ていきますね。
下記は「Whose(だれのもの?)」を使った疑問文に対する回答。
所有格と所有代名詞|例文
- Whose book is this?
- これは誰の本ですか。
- A. It is my book.(それは私の本です)
- A. It is mine.(それは私のものです)
「It is my book.」では人称代名詞の所有格「my」が用いられていますね。
所有格は形容詞的な役割をするため、「my(所有格)+pen(名詞)」のセットで表さなければなりません。
一方で「It is mine.」では、所有代名詞「mine」が単独で使われていますよ。所有代名詞は単独で所有を表せるのです。
「私のもの」であれば「It is mine.」と表せばOKですが、場面に応じて「誰のものなのか?」を明確に述べることが大切。
彼女のものであれば「It is hers.」、彼らのものであれば「It is thieirs」など。
疑問詞「Whose」を使った疑問文に対する理解を深めたい方は、以下記事を参考にしてください。
英語の代名詞|再帰代名詞
英語の再帰代名詞は「動作主自身」を表す語。
語尾に「self」や「selves」が付いているため、文中で際立っていますよ。
再帰代名詞の一覧
再帰代名詞 | |
1人称単数 | myself |
1人称複数 | ourselves |
2人称単数 | yourself |
2人称複数 | yourselves |
3人称単数 | himself |
herself | |
itself | |
3人称複数 | themselves |
1 英語の代名詞|再帰代名詞の使い方
再帰代名詞は、強勢を置いて強調用法(文の外側に位置)として使う場合と、再帰用法(目的語の位置)として使う場合があります。
以下では「myself」を例に上げて、2つの用法を解説しますね。英文内で置かれる場所が異なるので文構造に注目しましょう。
再帰代名詞|強調用法
- I will do it myself.
- 私は私自身で遂行します。
※再帰代名詞|再帰用法
- I will take care of myself.
- 私は私自身を守ります。
「I will do it myself」では、再帰代名詞「myself」が強調用法として使われていますよ。
「I will do it.」が「SVO」の第3文型で英文が完成しており、「myself」が文の外側に位置していますね。なので「myself」を省略しても文として成立します。
「I will take care of myself.」では、再帰代名詞「myself」が「I」に呼応して、前置詞「of」の目的語になっていますよ。目的語は他動詞と前置詞の後に位置できるのです。
強調用法では完全な文の外側で副詞的に使われ、再帰用法では目的語の役割を果たすから、文型内に置かれると捉えましょう。
英語の代名詞|指示代名詞
この記事で紹介してきた人称代名詞に対して、指示代名詞は「もの・こと・場所」を指し示すときに使いますよ。
- 話し手自身に近い「もの・こと・場所」を指し示すとき
- ⇛「this(これ)」と「these(これら)」
- 話し手や聞き手から遠い「こと・もの・場所」を指し示すとき
- ⇛「that(あれ)」と「those(あれら)」
「this」と「that」は単数形、「that」と「those」は複数形として使うので、単複に注意して使い分けましょう。
1 英語の代名詞|指示代名詞「this」
以下では「this」と「these」の例文を紹介するので、距離感や単複の使い分けに焦点を当てましょう。
「this」|例文
- This is my pen.
- これは私のペンです。
上記英文において、指示代名詞「This」は独立的に主語として使われていますよ。「空間的・心理的に話し手に近いもの」を指し示しています。
「This」が独立的に主語として使われる場合は、「これ」「この物・こと」という日本語訳が適していますよ。
上記に対して、「this」が「形容詞的」に使われる場合がありますよ。
「this pen(このペン)」のように表すときは、「this」が形容詞的に働いて「pen」を修飾しているのです。
「this」が単独の場合と、「this pen」のように名詞とセットになっている場合があるということ。
さらに指示代名詞「this(これ)」は単数として扱われるので、直後の「be動詞」に「is」が来ています。
3人称単数主語に続く「be動詞」は、現在形であれば「is」を使いますよ。
主語の単複によって使う動詞の形が決定するため、英文を作る上で必ず単複の見極めが必要です。
2 英語の代名詞|指示代名詞「these」
「these」|例文
- These are my pens.
- これらは私のペンです。
上記では指示代名詞「these」が独立的に使われているため、単独で主語として成立しています。
「these」が独立的に使われるときは、「これら」という日本語訳が合っていますね。
「these(これら)」は空間的・時間的・心理的に話し手に近いものを指し示しますよ。
「these」が単独で使われている場合は、「これら」「これらもの」という日本語が適していますが、形容詞的用法で「these+名詞」のセットで使われる場合は、「これらの〜」と訳せばOK。
「these pens(これらのペン)」のように「these+複数名詞」を組み合わせることが可能なのです。
上記例文の「These are my pens.」では、「these」が複数主語として扱われるので、続く「be動詞」に「are」が置かれています。
現在形かつ主語が複数形の場合には、be動詞は「are」を使うルールがあります。時制と主語の単複に応じて使う動詞を決定しましょう。
3 英語の代名詞|指示代名詞「that」
「that」|例文
- That is my book.
- あれは私の本です。
指示代名詞「that」は上記英文のように名詞として独立的に使う場合と、「that book」のように形容詞的に使う場合があります。
独立的に使う「that」は「あれ」という意味。空間的・心理的に話し手から遠いものを指し示しますよ。
形容詞的に使う「that」は「that+名詞」のセットで使われます。意味は「あの〜」で訳せばOK。
「That is my book.」において主語「That」が単数扱いになるので、be動詞は「is」が使われていますよ。(※時制が現在)
4 英語の代名詞|指示代名詞「those」
「those」|例文
- Those books are mine.
- あれらの本は私のものです。
指示代名詞「those」は「that」と同じく独立的に使う場合と、形容詞的に使う場合があります。
上記英文では、「those」が形容詞的に使われているため、「those books」のセットで表されていますよ。「those」が「books」を修飾しているのです。
「those+名詞」は空間的・心理的・時間的に話し手から遠い複数名詞を指して、「あれらの〜」と訳します。
「those」は複数のものを指し示すときに用いる代名詞なので、「those+複数名詞」の形で表すのだ、と捉えましょう。上記では「those+books(複数形)」になっていますよね。
さらには「those books」が「1かたまりで複数形の主語」になるので、直後の「be動詞」に「are」が来ているのです。(※時制が現在)
英語の代名詞|不定代名詞
これまで紹介した人称代名詞と指示代名詞は、「人やもの、こと」などを明確に指し示していましたね。
代名詞の中の不定代名詞は、漠然と不特定の人やもの、ことを指し示すときに使いますよ。
例えば「all(全て)」や「some(いくつか)」など。
以下では代表的な不定代名詞の使い方を、例文を参考にしながら1つひとつ解説しますね。
1 英語の代名詞|不定代名詞「one」「ones」
不定代名詞「one」は「a+名詞」の代わりに使う名詞で、「不特定の1つのもの(1人のひと)」を表します。
「不特定の複数のもの・ひと」を表す場合は、「one」の複数形である「ones」を使いますよ。以下で「one」と「ones」の使い分けを紹介しますね。
1-1 不定代名詞「one」
「one」|例文
- I need a pen. Will you lend me one?
- 私はペンが必要です。1つ貸してくれますか。
上記英文では、不定代名詞「one」が前文の「a pen」を指し示していますよ。「a pen」の代わりに「one」を使っているということ。
「a pen」に対する「one」は「不特定の1つのペンのこと」を表しているので、「不定(決まっていないこと)」という日本語が合っていますね。
「I need a pen.」「Will you lend me a pen?」のように繰り返すとくどい印象になるため、代名詞を使ってスマートに表現しているのです。
1-2 不定代名詞「ones」
「ones」|例文
- My shoes are old. I will buy new ones.
- 私の靴は古いです。新しいのを買います。
上記英文では、不定代名詞「ones」が前文の「My shoes」を指し示していますよ。
「修飾語+ones」の形で、複数名詞の代わりに使うことができるのです。
「My shoes are old.」「I will buy new shoes.」のように連続して「shoes」を用いるとくどい印象になるので、英語では出来る限り「代名詞」や「言い換え」を使ってシンプルに表現します。
2 英語の代名詞|不定代名詞「some」「any」
「some」と「any」は不定代名詞として扱い、どちらも「いくつか」「いくらか」という意味を表します。
「some」は肯定文で使い、「any」は疑問文と否定文で使うルールがあるので、例文を参考にして理解を深めましょう。
2-1 不定代名詞|some
「some」|例文
- Some of the students like soccer.
- 何人かの学生はサッカーが好きです。
「some」が代名詞として使われるときは、「some of 複数名詞」の形で表現可能です。
上記英文では、不定代名詞「some」が前置詞「of」の前で「名詞」の役割を果たしていますよ。
「何人かの学生」で訳してもいいですし、「学生の中にはサッカーが好きな人もいる」のように意訳してもOK。
「some」が代名詞として働く場合は、単独で主語や目的語の位置に直接置かれますが、形容詞的な役割をする場合は「some+名詞」の組み合わせで表せられますよ。
例えば「I have some books.(私はいくつかの本を持っています)」のように、「some」が名詞を修飾して「some+名詞」の形で表現できるのです。
さらに「some」は、肯定文の中で単数名詞と複数名詞のどちらも修飾できることを抑えておきましょう。
「some books.(可算名詞)」に加えて、「I have some money.(私はいくらかお金を持っています)」のように、「some+不可算名詞」の組み合わせが作れるということ。
「some」が代名詞として働いて単独で登場するのか、「some」が形容詞として働いて「some+名詞」の形になるのか、に注目しましょう。
2-2 不定代名詞|any
「any」|代名詞
- I didn’t meet any of my friends.
- 私は友達のだれにも会わなかったです。
不定代名詞「any」は、否定文の中で「どれも」「だれも」という意味を表します。
「any」が代名詞として使われる場合は、「any+of+名詞」の形で表現可能。「any」が単独で名詞の位置に来れるということ。
「any」は「some」と同様に文中で形容詞的に働きますよ。
なので「any+名詞」の組み合わせを作れるのです。以下で形容詞のパターンを紹介しますね。
「any」|形容詞的
〈否定文〉
- 1 I don’t have any money.
- 私はお金を少しも持っていません。
〈疑問文〉
- 2 Do you have any money?
- あなたは少しでもお金を持っていますか。
形容詞的に働く「any」を否定文で使うと、「何も」「少しでも」のような意味になります。
強調以外は日本語で訳さないことが多いですよ。「私はお金を持っていません」とシンプルに訳してもOK。
形容詞的に働く「any」を疑問文で使うと、「何か」「少しでも」のような意味になります。「Yes」か「No」かいずれの答えを期待しているかは五分五分。
「any(代名詞)」が名詞の位置に直接置かれる場合と、上記2文のように「any(形容詞)+名詞」の形で表される場合の両方に対応できるようにしましょう。
3 英語の代名詞|不定代名詞「all」「each」「none」
不定代名詞「all(全ての人・もの・こと)」と「each(各々)」、「none(何ひとつ〜ない)」の使い方を例文を参考にしながら解説しますね。
3-1 不定代名詞|all
「all」|例文
- All of the students like our teacher.
- 生徒の全員が先生を好きです。
上記では不定代名詞「all」が、前置詞「of」の前で「主語(名詞)」の役割を果たしていますよ。「All+of+名詞」の形で「〜の全て」という意味。
「All of the students」が複数形(主語)として扱われるので、述語動詞が「like」のまま使われていますね。
単数形が主語であれば「like」の語尾を変えて「likes」にする必要があります。
「all」は代名詞以外にも形容詞や副詞、名詞としても用いられるので、常に品詞に注目して使い分けましょう。
形容詞的用法で「All students」と表した場合は、「あらゆる学生」のような抽象的な表現となります。
3-2 不定代名詞|each
「each」|例文
- Each of the students has a notebook.
- 生徒1人ひとりがノートを持っています。
上記では不定代名詞の「each」が文の主語となり、「Each of the students」の組み合わせで表現されています。
「Each of+the+複数名詞」のセットで、ある特定グループの各々を表しますよ。
前述した「All of the students」が主語の場合は複数形として扱いましたが、「Each of the students」は単数形の主語になります。
「each」は範囲を限定した上で、生徒1人ひとりに焦点を当てているため、単数形の名詞として取り扱うのです。
「Each of the students has a notebook.」において、「students」の語尾に「s」が付いているから複数形だ、と考えると動詞を「have」にしてしまいますよ。
「of the students」は代名詞「Each」にかかっているため、主語の単複を見極めるときは「Each」に注目しましょう。
「Each」が単数形の主語として扱われるので、三人称単数形に合わせて動詞が「has」に決定するのです。
3-3 不定代名詞|none
「none」|代名詞
- None of the students have arrived on time.
- 時間通りに到着した生徒は1人もいない。
「None+of+the+複数名詞」の形で、「何ひとつ〜ない、誰ひとり〜ない」の意味を表します。
代名詞は名詞の位置に直接置けるので「None of」の語順で構成可能です。
上記では「None of the students」が複数形扱いのため、「have arrived」が続いていますよ。
単数形であれば「has arrived」になるので、主語の単複を見極めなければなりません。
4 英語の代名詞|不定代名詞「other」「another」
不定代名詞「other(他の人・もの)」と「another(もう1人・もう1つ)」の使い方について例文を使って解説しますね。
4-1 不定代名詞|other
「other」|例文
- Here are two books. One is a novel and the other is a comic book.
- ここに本が2冊あります。1冊は小説で、もう一方は漫画です。
「2つのうちでもう一方の物(人)」を代名詞を使って表す時に「the other」を使いますよ。
上記では「2冊のうちのもう1冊」だと特定できるため、冠詞「the」と組み合わせて「the other」の形になったのです。
「the other」が特定の名詞を指しており単数扱いのため、続く「be動詞」に「is」が来ていることにも目を向けましょう。
4-2 不定代名詞|another
「another」|例文
- I don’t like this shirt. Can you show me another?
- 私はこのシャツが気に入りません。もう1つのものを見せてくれませんか。
上記英文では「another」が「もう1つのシャツ」を表していますよ。
特定のシャツを指しているわけではないので、「the other(特定)」ではなく「another(不特定)」が適しています。
「another(もう1つ)」を「an+other(もう1つ別の)」のように考えると、理解しやすいかもしれません。
「another」は上記のように代名詞として使う場合と、限定用法で形容詞(もう1つの〜)として使う場合があります。
形容詞として使う場合は、「Can you show me another shirt?(もう1つのシャツを見せてくれませんか)」のような英文を作れますよ。
形容詞「another」が名詞「shirt」を修飾できるので、「another shirt」のセットが成立するのです。代名詞で単独の時と「形容詞+名詞」のパターンを使い分けましょう。
5 英語の代名詞|不定代名詞「both」「either」「neither」
不定代名詞「both」と「either」、「neither」の使い方を詳しく解説しますね。例文を1つひとつ見ていきます。
5-1 不定代名詞|both
「both」|例文
- Mary knows both of us.
- メアリーは私たちの両方を知っています。
「both」を代名詞として使う場合は、「both of+複数名詞」のセットで用いりますよ。「両方」「両者2人(2つ)とも」という意味。
上記例文では、「both of us」が「knows」の目的語になっていますね。
代名詞は名詞の役割を果たすので、主語や目的語の位置に直接置かれますよ。文構造に注目すると深い理解が得られるはず。
「both」が形容詞として働く場合は、名詞を修飾できるので「both+名詞」のセットで表現可能です。
例えば、「both people(両方の人)」のような表現ができるのです。
5-2 不定代名詞|either
「either」|例文
- I don’t like either of them.
- 私は彼らのどちらも好きではありません。
代名詞「either」は「2つのうちいずれか、どちらでも」という意味。
「either of+名詞」の形で表せられます。否定文では「2つのうちどちらも〜ない」。
上記例文では動詞「like」の目的語に「either of them」が来ていますね。
厳密に言うと「like」の目的語が「either」であり、前置詞句「of them」が「either」を修飾していますよ。
5-3 不定代名詞|neither
「neither」|例文
- Neither of my friends has come yet.
- 友達のどちらもまだ来ていないです。
代名詞「neither」は「neither of+名詞」の形で、「どちらも〜ない」という意味を表します。
上記では「Neither of+名詞」が単数形主語の扱いになるため、直後に「has come」が置かれていますよ。
複数形の主語であれば「have come」になるので、単複の見極めを意識しましょう。
「neither」|例文
- I have two cars, but neither is reliable.
- 私は車を2台持っていますが、どちらも安心して乗れません。
代名詞「neither」が単独で使われる場合は上記の通り。
「neither of+名詞」に加えて、「neither」単独のパターンを抑えておくべき。
上記例文では「neither」が「two cars」のことを指し示しており、「2者のどちらも〜でない」という意味を表現していますよ。
「neither」が単独で主語に用いられており単数形の主語として扱うので、続く「be動詞」に「is」が来ていますね。
正しい英文を作る上で「主語の単複」を見極めることが大切です。
6 英語の代名詞|不定代名詞「every-」
「every」の語尾に「-one」と「-body」「-thing」を付けた形を以下で解説しますね。
6-1 不定代名詞|everybody
「everybody」|例文
- Everybody was expected to bring his lunch.
- だれもが昼の弁当を持ってくることになっていた。
代名詞「everybody」は単数形の名詞扱いで、「みんな」「すべての人」という意味。
上記では「Everybody」が単数扱いのため、続く過去形の「be動詞」に「was」が来ていますね。複数だと「were」を使うので単複の判断が大切。
「everybody」の日本語訳が「みんな」「すべての人」なので、日本語のイメージで考えると「everybodyは複数形かも?」と考えてしまいますよ。
仮に「everybody」が複数形だと判断した場合は、「Everybody were expected ~」のような形にしてしまうので注意しましょう。
6-2 不定代名詞|everyone
「everyone」|例文
- Everyone likes spending time with friends.
- だれでも友達と一緒に時間を過ごすのが好きです。
代名詞「everyone」も「everybody」と同様に、単数形として扱いますよ。「みんな」「すべての人」という意味も一緒。
「Everyone」が単数形の主語なので、動詞が「likes」に変化しています。
三人称単数形の主語に応じて、原形「like」から語形変化した形「likes」になっているのです。
6-3 不定代名詞|everything
「everything」|例文
- Everything that he said is true.
- 彼の言ったことはすべて本当です。
代名詞「everything」は単数名詞扱いで、「すべてのこと(もの)」「なにもかも」という意味を表しますよ。
「everybody」と「everyone」は「人」を表してましたが、「everything」は「こと・もの」に関してです。
「Everything that he said is true.」の文を分解すると、「Everything」が主語、「that he said」が関係代名詞の節(形容詞の役割)で「Everything」を修飾。
その結果「Everything(単数扱い)」が英文の主語となり、続く「be動詞」が「is」だと判断できるのです。
正しい英文を作る上で文構造や修飾の知識が大切ですが、主語の単複によって続く動詞が決定するので、これらの知識を組み合わせる必要がありますよ。
7 英語の代名詞|不定代名詞「some-」
不定代名詞「some」の語尾に、「-body」と「-one」「-thing」を付けた形を例文を使って解説しますね。
7-1 不定代名詞|somebody
「somebody」|例文
- There is somebody at the door.
- 玄関にだれか来ましたよ。
代名詞「somebody」は単数扱いで、「だれか」「ある人」という意味を表します。
「somebody」が単数扱いのため、「There are」ではなくて「There is」で表現されているのです。
7-2 不定代名詞|someone
「someone」|例文
- We need someone who can inspire the team.
- 私たちにはチームを奮い立たせられるような人が必要です。
代名詞「someone」は「somebody」と同じく、「だれか」「ある人」という意味を表現可能。
「someone」の後に関係代名詞「who」を置いて、「具体的にどういう人か?」を表す場合があるので「someone」の直後に注目しましょう。
7-3 不定代名詞|something
「something」|例文
- Can I get you something to drink?
- なにか飲み物を持ってきましょうか。
「something」は「何かあるもの・こと」という意味を表します。
「something」の後に「to不定詞」が置かれて具体化されることがあるため、直後に目を向けましょう。
代名詞「something」を「to drink(to不定詞)」が後ろから修飾しているのです。「飲むためのなにか物」⇛「飲み物」という捉え方ですね。
8 英語の代名詞|不定代名詞「any-」
不定代名詞「any」の語尾に、「-body」と「-one」「-thing」を付けた形を例文を使って解説しますね。
8-1 不定代名詞|anybody
「anybody」|例文
- I don’t think anybody is going to come.
- だれも来るとは思えない。
代名詞「anybody」は、肯定文で「だれども」「どの人も」という意味を表します。上記のような否定文の場合は「だれも〜ない」。
「anybody」は単数形の主語になるため、「anybody」に続く「be動詞」に「is」が来ていますよ。主語の単複に応じて動詞を決定しましょう。
8-2 不定代名詞|anyone
「anyone」|例文
- Does anyone know where Mary lives?
- だれかメアリーの住んでいる場所を知りませんか。
代名詞「anyone」は「anybody」と同じ役割と意味を持ちます。疑問文では「だれか」「だれでも」という意味を表現。
上記では「anyone」が単数形の主語なので、疑問文にするときは助動詞「Does」を使いますよ。
「Anyone knows ~」から「Does anyone know ~」に変化する流れ。(※現在時制)
8-3 不定代名詞|anything
「anything」|例文1
- Do you have anything to do after that?
- そのあと何か用事がありますか。
「anything」|例文2
- Is there anything I can do?
- 私にできることは何かありますか。
代名詞「anything」は疑問文で「何か」「どれか」という意味を表します。
「anything」の後には、上記1.2例文のように「to不定詞」や関係代名詞が置かれて「具体化」に繋がることが多いので、直後の語順に注目してみましょう。
9 英語の代名詞|不定代名詞「no-」
「no」の語尾に「-body」と「-one」「-thing」を付けた形を例文を使って解説しますね。
9-1 不定代名詞|nobody
「nobody」|例文
- There was nobody interesting at the party.
- パーティーには面白い人がだれもいなかった。
代名詞「nobody」は、単数形の扱いで「だれも〜ない(not anybody)」の意味を表現。
「nobody」が単数扱いのため、「There were」ではなく「There was」で表されているのです。
「There was not anybody interesting ~」の形に置き換えて表すことも可能ですよ。
9-2 不定代名詞|no one
「no one」|例文
- No one loves her.
- 彼女には愛してくれる人がだれもいない。
「no one」は「nobody」と同じく単数扱いであり、「だれも〜ない」という意味を表します。
「No one」が単数形の主語になるため動詞が「loves」になっていますよ。「No one love ~」の形にしてはいけません。
「She has no one to love her.」のように「no one」を目的語に置いてから、後ろに具体的な情報を書くパターンもあり。
9-3 不定代名詞|nothing
「nothing」|例文
- There is nothing to do.
- 何もするべきことがない。
代名詞「nothing」は単数形の扱いで、「何も〜ない」「少しも〜ない(not anything)」という意味を表します。
「nothing」は単数形として扱われるので、上記英文では「there are」ではなくて「there is」の形で合わせていますよ。
例文の中で「to不定詞」の形容詞的役割を果たしている「to do」が、代名詞「nothing」を修飾していますね。
「nothing」の後に「to不定詞」や関係代名詞が続いて、「具体的には何が何もないのか?」を表すことがあるので、直後のかたまりや文に目を向けましょう。
英語の代名詞|疑問代名詞
英語の疑問代名詞とは、疑問の意味を含む代名詞のことです。
英語では「What」や「Who」「Which」「Whom」「Whose」など。
疑問代名詞の「What」と「Who」「Which」は文中で主語と目的語の役割を果たすので、パターンごとに例文を使って解説しますね。
「Whom」は動詞や前置詞の目的語として働き、「Whose」は「所有格」として文中で働きますよ。
疑問代名詞は別の記事で詳しく解説しているので、この記事では使い方と例文をシンプルに紹介しますね。
疑問代名詞の使い方を深く理解したい方は以下記事を参考にしてください。
1 英語の代名詞|疑問代名詞「what」
疑問代名詞「What」の使い方を例文を使って解説しますね。
「What」は文中で主語と目的語の役割を果たしながらも、疑問の意味を持てますよ。
疑問代名詞の「What」を疑問文の先頭に置いて文を作り上げるので、文構造を詳しく見ていきますね。
1-1 疑問代名詞「what」|主格
「What」|例文
- What makes you happy?
- 何があなたを幸せにしますか。
疑問代名詞「What」は文中で主語の役割を果たして、疑問の意味を持つことができますよ。
「What」が主語の役割をするときは、疑問代名詞の主格と呼ばれます。
文の先頭に置いて「何が?」「どんなこと(もの)が?」という意味を表現可能。相手に具体的な質問をしたいときに、疑問代名詞の「What」を使うのです。
「What」が主語の役割を果たしているときは、「What」に続く英文が肯定文の語順になります。
さらには「What」が単数形の扱いになるため、動詞が「makes」に変化していますよ。(※make→makes)
1-2 疑問代名詞「what」|目的格
「What」|例文
- What do you like?
- あなたは何が好きですか。
上記英文では、疑問代名詞「What」が文中で目的語の役割を果たしていますよ。
動詞「like」の目的語がわからないから、「What」を使って具体的な質問をしているのです。
「You like ?」における「?」を知りたいから、「?」に「What」を入れます。
さらに「What」を文頭に移動させて疑問文の語順に変えた結果、「What do you like?」が完成。
目的語の役割をしている「What」の場合は、「What」の後ろを疑問文の語順にする必要があります。
2人称現在の場合は、助動詞「do」を主語の前に持ってくればOK。
2 英語の代名詞|疑問代名詞「who」
疑問代名詞「Who」の使い方を以下で解説しますね。
「Who」は文中で主語と目的語の役割を果たしながらも、疑問の意味を持てますよ。
「Wh疑問文」として相手に具体的な質問ができるので、使い方を正しく理解すれば表現の幅が広がります。
2-1 疑問代名詞「who」|主格
「who」|例文
- Who plays soccer?
- 誰がサッカーをしますか。
疑問代名詞「who」は文中で主語の役割を果たせますよ。
主語として用いられている場合は、単数形として扱います。なので動詞「plays」が単数主語に合わせた形になっているのです。
疑問代名詞「who」が主格のときは、「だれが?」「どのような人が?」という具体的な質問が可能ですよ。
質問に答える側は、「Mary plays soccer.(メアリーがサッカーをします)」のように明確な回答を述べます。
2-2 疑問代名詞「who」|目的格
「who」|目的格
- Who do you love?
- あなたは誰を愛していますか。
疑問代名詞の「who」は文中で目的語の役割ができます。疑問代名詞の目的格と呼ばれますね。
上記英文では、動詞「love」の目的語が「Who」になっているのです。
「Who」を文の先頭に置いて疑問文を作れば「誰を?」という意味を表せますよ。
相手の愛している人を聞きたいので、「Who」を使った疑問文を用いているのです。
「You love ?」における「?(愛している対象)」を知りたいから、目的語の位置に「who」を置く。
「You love who」を疑問文の語順にする必要があるため、「who」を文頭に持ってきてから疑問文を作ります。
「You love who」→「Who you love」→「Who do you love?」の順序で文が構成されますよ。助動詞「do」を主語の前に置くことを忘れずに。
「Who do you love?」=「Whom do you love?」だと覚えておきましょう。
目的格の「who」は「whom」の代わりに使われているため、文法的には「whom」を使ってもOK。
ただし日常会話では「whom」を使わず、「who」を使って「Who do you love?」のように表すのが自然ですよ。
3 英語の代名詞|疑問代名詞「which」
疑問代名詞「which」の使い方を例文を参考にして解説しますね。
「which」は文中で主語と目的語の役割を果たしますよ。
3-1 疑問代名詞「which」|主格
「which」|例文
- Which is easier, English or Japanese?
- 英語と日本語のどっちが簡単ですか。
上記では、疑問代名詞「which」が文中で主語の役割を果たしていますよ。
疑問文の先頭に置かれ主語の役割を果たしているので、疑問代名詞の「主格」と呼ばれます。
「which」が主語の役割をしているときは、文頭の「Which」に続く英文が肯定文の語順でOK。
目的語の役割を果たしている場合では、疑問文の語順に変える必要があります。
「Which」を使った疑問文では、相手に「2択」の質問ができますよ。
なので語尾に「English or Japanese?」という2択の選択肢が置かれているのです。
2択の場合は「どっちが?」、3つ以上選択肢がある場合は「どれが?」という日本語訳が適していますね。「which」は限定された数のものの中からの選択。
3-2 疑問代名詞「which」|目的格
「which」|例文
- Which do you like better, soccer or baseball?
- あなたはサッカーを野球のどっちが好きですか。
上記英文では、疑問代名詞「which」が動詞「like」の目的語として働いていますよ。
目的格の「which」を疑問文で使うときは、文頭に「which」を持ってきてから、後に続く文を疑問文の語順に変える必要があります。
「You like which」→「Which you like」→「Which do you like?」の順序で文構造が変化しますよ。
「which」を文頭に持ってくることに加えて、助動詞「do」を主語の前に置くことを忘れずに。
「Which do you like(完全な文)」の後に「better, soccer or baseball?(選択肢)」を付け足せば全文が完成です。
選択肢が2つの場合は、「どっち?」「どちら?」のような日本語が適していますよ。
4 英語の代名詞|疑問代名詞「whose」
疑問代名詞「what」と「which」は、文中で主語と目的語の役割を果たすことを上記で説明してきましたね。
疑問代名詞「whose」は文中で形容詞の役割ができるため、「whose+名詞」の形で表されますよ。
「Whose pen(だれのペン?)」のように所有を尋ねるときに使います。
4-1 疑問代名詞「whose」|所有格
「whose」|例文
- Whose pen is this?
- これは誰のペンですか。
上記英文では疑問詞「Whose」が形容詞的に使われており、名詞「pen」を修飾しています。「Whose+pen」の組み合わせ。
「Whose」を使うと人やモノの所有を尋ねることができるので、「所有格」と呼ばれます。答えるときは具体的に「だれのもの?」なのかを述べましょう。
「Whose pen is this?」に対しては、所有代名詞を使って答えることが多いですよ。
例えば「It is mine.(それは私のものです)」のような回答。(※「mine」が所有代名詞)
英語の代名詞|関係代名詞
関係代名詞とは、接続詞と代名詞の機能を持つ代名詞のこと。
名詞(先行詞)を具体的に表現したいときに関係代名詞を使いますよ。
関係代名詞は上述した疑問代名詞と同じく、主格と目的格、所有格の場合があります。1つひとつ例文を使って解説しますね。
1 英語の代名詞|関係代名詞「who」
「who」|例文
- The girl who is singing on the stage is my sister.
- ステージで歌っている女性は私の姉です。
上記英文では先行詞「The girl(人)」を具体的に表現したいから、関係代名詞「who」を使って詳しく説明していますよ。
関係代名詞「who」が文中で「主語」の役割をしているため、主格の「who」と呼ばれます。「who」の直後は主語が欠けていると考えればOK。
「who」の節中の動詞が「be動詞」のときは、「who+be動詞」の省略が可能です。
なので「The girl singing on the stage is my sister.」のように表せますよ。
「who」が主語の役割を果たしているので、「who」に続く節中で主語は存在しないのです。
関係代名詞を使って名詞を具体化した場合は、関係代名詞の節中が「不完全」になると覚えましょう。
2 英語の代名詞|関係代名詞「which」
「which」|例文
- Tokyo is a city which attracts tourists.
- 東京は観光客を魅了する都市です。
上記英文では先行詞「a city(人以外)」を具体化するために、関係代名詞の「which」を使っていますよ。
「人」を具体化するときは「who」、「人以外のもの・こと」を具体化するときは「which」を使う、と覚えましょう。
関係代名詞「which」が文中で主語の役割を果たしているので、「which」の節中では、主語が欠けています。(※不完全な文になるということ)
「Tokyo is a city which a city attracts tourists.」のように、主格「which」の後に主語が置かれてはダメなのです。なぜなら「which」が主語の役割をしているので。
3 英語の代名詞|関係代名詞「who(m)」
「who(m)」|例文
- The girl whom Ken married is beautiful.
- The girl who Ken married is beautiful.
⇛ ケンが結婚した女性は美しいです。
上記英文では先行詞「The girl(人)」を具体的に表現したいために、関係代名詞の「who(m)」を使っていますよ。
関係代名詞の「who(m)」が文中で「目的語」の役割をしているので、「who(m)」の節中では目的語が欠けています。上記では「married」の目的語がないですよね。
関係代名詞「who(m)」が「married」の目的語の役割を果たしているのです。それゆえ関係代名詞の節中が「不完全」な文。
「whom」と「who」の使い分けとして、「whom」は堅苦しい印象を持っているため、日常会話では「who」が好まれますよ。
さらには目的格の関係代名詞は省略ができるので、「The girl Ken married is beautiful.」のように表現するのが最も自然です。
4 英語の代名詞|関係代名詞「which」
「which」|例文
- This is the car which I bought yesterday.
- This is the car that I bought yesterday.
- This is the car I bought yesterday.
これは私が昨日買った車です。
関係代名詞「which」は文中で目的語の役割をしますよ。
上記例文1では「which」が動詞「bought」の目的語として働いている。なので「bought」の直後に目的語が来ていません。(※目的語が欠けている不完全な文)
「もの・こと」を修飾する場合には、「who」ではなくて「which」を使って具体化します。目的格「which」は「that」に置き換えて表現可能。
主語と目的語の役割を果たす「which」は、関係代名詞「that」に交換可能なのです。(※上記例文2)
上記例文3は関係代名詞が省略された英文となります。
目的語の役割をしている「which」は、省略して表現することができますよ。「that」に置き換えてもいいし、省略してもいいのです。
ちなみに日常の中で最も自然な表現は関係代名詞が省略された形なので、「名詞+名詞」の形には注目しましょう。
5 英語の代名詞|関係代名詞「that」
「that」は指示代名詞として使う場合と、関係代名詞として使う場合がありますよ。
「that book(あの本)」のように表すときは指示代名詞。
先行詞が「人・もの・こと」の場合に、関係代名詞「that」を使って名詞を具体的に表すことができますよ。「that」は文中で主語と目的語の両方の役割が可能。
「人」を具体化するときは「who」、「もの・こと」を具体化するときは「which」を使うルールですが、「that」はそのどちらにも使えるのです。
けれど日常会話では「人」には「who」、「もの・こと」には「which」を使うことが多いので、「that」は補足的に覚えておきましょう。
5-1 関係代名詞|「that」主格
「that」|例文(主格)
- Did you know the man that bought the car?
- その車を買った人のことを知っていましたか。
上記英文では先行詞「the man」を具体的に表したいために、関係代名詞「that」を用いていますよ。
「that」は文中で主語の役割をしているので、「that bought the car?」の中では主語が欠けています。「that V O」の文構造になっていますよね。
「人」を具体化するときは「who」を使うのが自然ですが、「that」で置き換えてもOKなのです。
5-2 関係代名詞|「that」目的格
「that」|例文(目的格)
- The fish that I ate yesterday was good.
- 昨日食べた魚は美味しかったです。
上記英文では「The fish」を具体化したいから、関係代名詞「that」を使って詳しく説明していますよ。
「that」は「人・もの・こと」すべてに対して使うことができます。
「that I ate yesterday」の関係代名詞の節中では、「that」が目的語の役割を果たしているので「ate」の直後には目的語がありません。
「ate」の直後に「yesterday」がありますが、「yesterday」は過去時制とともに「副詞」として用いられるので文型外として考えましょう。
目的語の役割をする関係代名詞は省略できるので、「The fish I ate yesterday was good.」のように表せますよ。
省略された形が最も自然なくだけた表現となります。
6 英語の代名詞|関係代名詞「whose」
「whose」は疑問代名詞に加えて、関係代名詞としても用いられますよ。
「whose」を使って名詞(人・もの・こと)を具体化できるのです。
「whose」は名詞の前に置いて形容詞的に使い先行詞との所有関係を表すので、「所有格」の関係代名詞と呼ばれます。
「whose」|例文(人)
- She is my friend whose mother is beautiful.
- 彼女は美しい母を持っている友達です。
上記英文では先行詞「my friend」の「所有」について具体的に表したいから、関係代名詞「whose」を用いていますよ。
「whose mother is beautiful」の中で、「whose」が所有格の役割をしているのです。「her」や「his」など所有格の代わりに「whose」が使われていますね。
「whose」が関係代名詞として使われているときは、「whose+名詞」の形で登場することを覚えておきましょう。
ちなみに「whose」は人以外も修飾できるので、以下で例文を紹介しますね。
「whose」|例文(もの)
- This is the computer whose speed is much faster that ours.
- これが私たちのよりも非常にスピードが速いコンピューターです。
上記例文では「the computer(もの)」の「所有」について具体的に表すため、「whose」が使われていますよ。
関係代名詞「whose」は、「人・もの・こと」すべての「所有」について詳しく説明することができるのです。
「所有(自分のものとして持っていること)」の意味を考えると「人」だけのイメージがありますが、「もの・こと」の所有も表せるので注意しましょう。
上記では「whose」が文中で所有格の役割を果たし形容詞的に働くので、「whose+speed」のセットで表されていますね。
一見「whose」に続く節が「欠けがない完全な文」に見えますが、「speed」の前に所有格がないことに気が付きます。
関係代名詞を使うときは、「主語や目的語が欠けている場合」と「所有格が欠落している場合」があるということ。
まとめ|英語の代名詞
この記事では、英語の「代名詞」の種類と使い方について例文を参考にしながら説明してきましたね。
人称代名詞と所有代名詞、再帰代名詞、指示代名詞、不定代名詞、疑問代名詞、関係代名詞の使い方と文構造、文中での役割を徹底的に解説したので、代名詞に関する理解が深まったと思います。
文中で代名詞を正しく使うことができれば、スマートかつ具体的な英語表現が可能になるので本質部分に向き合うべきかと。
今回はこれで以上です。
読んで頂きありがとうございました。