この記事では、英語の「副詞」の使い方と修飾について徹底解説していきます。
文中で副詞は、「動詞と形容詞、副詞、文全体」を修飾する役割を持っていますよ。
名詞以外を具体的に表したいときには、副詞を使って表現の幅を広げるのです。
例文を参考にしながら1つひとつ噛み砕いて説明しますね。
英語の副詞とは
副詞とは品詞の1つであり、名詞以外を修飾する役割を持っていますよ。
名詞以外(動詞と形容詞、副詞、文全体)を具体的に表すために、副詞が用いられるのです。
- 名詞を修飾するのが形容詞
- 動詞と形容詞、副詞、文全体を修飾するのが副詞
副詞は「SVOC」のどれにもならない品詞。
正しい英文は、「完全な文(5文型)」+「副詞(副詞扱いの箇所)」で構成されています。
副詞は完全な文の外側で、修飾の役割を果たすので、「文を作る上でどうしても必要な語」ではないのです。
英文をスムーズに読むためには、正しい文型分けが求められるので、文構造と修飾に注目しましょう。
形容詞による修飾の理解を深めたい方は、以下記事を参考にしてください。
英語の副詞|使い方
副詞は「動詞と形容詞、副詞、文全体」を修飾可能。
それぞれ「どのように修飾されるのか?」を解説しますね。
副詞が「具体的な情報」を表している、と考えれば理解しやすいですよ。
- 修飾 ⇛ 文法で、ある語句が他の語句の意味を限定したり、詳しく表したりすること。
1 英語の副詞|動詞を修飾
動詞を修飾する「副詞」は以下のとおり。
副詞|例文
- Mary speaks fast.
- メアリーは速く話す。
上記では、副詞「fast(速く)」が動詞「speaks(話す)」を修飾しています。「どのように話すのか?」を具体的に表しているのです。
動詞「speaks」の中身をもっと明確に言いたいから、副詞を使って動詞を修飾している、と考えてOK。
「Mary speaks.(メアリーは話す)」だけだと、明らかに情報が少なくて、具体的な表現ができませんよね。
「Mary speaks.」は「SV」の第1文型。「SV」で文が完成しており、副詞「fast」は文の外側に位置しています。
英文は「完全な文」+「副詞(修飾箇所)」で作られるため、理にかなっていると判断できますよ。
2 英語の副詞|形容詞を修飾
形容詞を修飾する「副詞」は以下のとおり。
副詞|例文
- This book is very important.
- この本はとても大切です。
上記では、副詞「very(とても)」が形容詞「important(大切な)」を修飾してますよ。
「大切」と言っても、「どのくらい大切なのか?」を具体的に表現しているのです。
「どのくらい大切なのか?」を具体的に表したほうが、相手に正しくわかりやすく伝えることができますよね。
文中で副詞を使うことで、具体的な説明が可能になるので、コミュニケーションの面から考えても大切だと思います。
「This book is important.」は「SVC」の第2文型。「SVC」で英文が完成していますよ。
副詞が形容詞を修飾する場合は、形容詞の直前に置くこと多いので、「very」が「important」の前に位置しています。
3 英語の副詞|副詞を修飾
副詞を修飾する「副詞」は以下のとおり。
副詞|例文
- I drive extremely carefully.
- 私は非常に注意深く運転する。
上記では、副詞「extremely(非常に)」が副詞「carefully(注意深く)」を修飾しています。
あまり馴染みがないかもしれませんが、副詞が副詞を修飾して、さらなる具体情報を加えることが出来るのです。
「どれくらい注意深く?」という「副詞の程度」を明らかにしている、と考えていいでしょう。
「I drive」は「SV」の第1文型で完成しています。「extremely」と「carefully」は文の外側に置かれている、と捉えましょう。
4 英語の副詞|文全体を修飾
文全体を修飾する「副詞」は以下のとおり。
副詞|例文
- Fortunately, Mary was saved from the burning house.
- 幸いなことに、メアリーは燃えている家から救助された。
上記では、副詞「Fortunately」が文全体「Mary was saved ~」を修飾しています。
動詞と形容詞、副詞に加えて、文全体を修飾して具体的に表すことがあるので、修飾の対象に注目しましょう。
英語の副詞|語形
英語の副詞は、語尾が「-ly」の単語が多いですよ。
形容詞の語尾に「-ly」を付けると、副詞に変化するのです。
形容詞だけれど語尾が「-ly」の単語もあるので、以下でどのようなパターンがあるか紹介しますね。
1 英語の副詞|形容詞の語尾に「-ly」
形容詞の語尾に「-ly」を付けて副詞に変える際は、語尾変化のルールがあります。
語尾変化のルール
形容詞 | 副詞 | |
語尾に「-ly」 | beautiful | beautifully |
「y」を「i」に変えて「-ly」 | happy | happily |
「e」を取って「-ly」 | reasonable | reasonably |
「y」だけ | full | fully |
形容詞「beautiful」と副詞「beautifully」を例として、理解を深めていきますね。
- 形容詞「beautiful」⇛ 美しい(名詞を修飾)
- 副詞「beautifully」⇛ 美しく(名詞以外を修飾)
上記のように、形容詞から副詞に変化させても意味が近い場合が多いですよ。
修飾対象が変わるので、文中での役割に注目しましょう。
2 語尾が「-ly」の形容詞
語尾に「-ly」が付いている単語は、多くの場合「副詞」ですが、中には語尾が「-ly」の形容詞もあります。
数はそんなに多くないので、出会ったときに覚えればOK。
語尾が「-ly」の形容詞
- lovely(美しい)
- friendly(人懐っこい)
- lonely(ひとりぼっちの)
- timely(タイムリーな)
- costly(高価な)
3 英語の副詞|形容詞と同じ形
形容詞と同じ形の「副詞」があるので、以下で代表例を紹介しますね。
文中で置かれている位置や修飾関係から、品詞を見極めましょう。
形容詞と同じ形の副詞
形容詞 | 副詞 |
hard(熱心な) | hard(懸命に) |
fast(速い) | fast(速く) |
late(遅れた) | late(遅れて) |
high(高い) | high(高く) |
early(早めの) | early(早めに) |
上記の「使い分け」を理解するために、形容詞と副詞として働く「hard」の例文を紹介します。
形容詞|hard
- She is a hard worker.
- 彼女は熱心な働く人です。
副詞|hard
- She works hard.
- 彼女は懸命に働きます。
上記例文1,2の両方で「hard」が使われていますね。「hard」の形と発音は一緒ですが、品詞が異なります。
例文1では、形容詞「hard(熱心な)」が名詞「worker(働く人)」を修飾していますよ。
(※名詞を修飾するのが形容詞)
例文2では、副詞「hard(懸命に)」が動詞「works(働く)」を修飾しています。
(※名詞以外を修飾するのが副詞)
形容詞と副詞はどちらも「修飾」の役割を持っていますが、「修飾の対象」が異なるので、「何が具体化されているか?」に注目しましょう。
4 英語の副詞|もともと副詞の語
上記で説明したとおり、副詞は形容詞から派生するパターンが多いです。
(※形容詞の語尾に「-ly」)
しかしその一方で、もともと副詞の単語も存在しますよ。純粋な副詞は以下のとおり。
もともと副詞の単語
- very(とても)
- always(いつも)
- often(しばしば)
- already(すでに)
- ever(これまでに)
- quite(かなり)
英語の副詞|様々な修飾
「Mary speaks fast.(メアリーは速く話す)」では、副詞「fast」が単独で動詞「speaks」を修飾します。
上記のように副詞単独で修飾する場合に加えて、副詞のかたまり(副詞句と副詞節)が「動詞と形容詞、副詞、文全体」を修飾するパターンがありますよ。
- 副詞句 ⇛ 2つ以上の単語のかたまり(主語+動詞がない)
- 副詞節 ⇛ 2つ以上の単語のかたまり(主語+動詞がある)
1 英語の副詞句|前置詞句
文中で「前置詞句」が副詞の役割を果たせますよ。
前置詞のかたまりが「具体的な情報」を述べている、とシンプルに考えてOK。
前置詞句|例文
- I live in Tokyo.
- 私は東京に住んでいます。
上記英文では、副詞の働きをする前置詞句「in Tokyo」が、動詞「live」を修飾しています。
「I live(私は住んでいる)」だけだと、情報が少なすぎますよね。前置詞句を使うことで、「具体的な情報」を追加できるのです。
「I live」は「SV」の第1文型で文が完成しており、「in Tokyo」は文の外側に置かれていると捉えましょう。
2 英語の副詞節|接続詞
接続詞を使って英文を繋げる場合、「SV 接続詞 SV」「接続詞 SV, SV」の語順で文を作ります。
このとき「接続詞 SV」のかたまりは、副詞節として扱われます。「接続詞 SV」が副詞の役割を持つということ。
副詞節|例文
- I was studying English when my mother came home.
- 母が帰ってきたとき、私は英語を勉強していた。
上記英文では、副詞節「when my mother came home」が、主節「I was studying English」を修飾しています。
- 最も伝えたい内容 ⇛ I was studying English.
- 具体的な情報 ⇛ when my mother came home
副詞節は、主節に対する「具体的な情報」を追加していますよ。
副詞の役割は「動詞と形容詞、副詞、文全体」を修飾すること。
修飾の役割は、意味を限定して「具体的に表現すること」なので、「修飾=具体化」という認識でOK。
接続詞の使い方や文構造、意味を深く理解したい方は、以下記事を参考にしてください。
3 英語の副詞的用法|to不定詞
英語では「to不定詞」が副詞的な役割を持つ場合があります。「to不定詞」の副詞的用法と呼ばれますね。
「to不定詞」のかたまりが、動詞や形容詞、副詞、文全体を修飾できるのです。
「to不定詞」|例文
- I study English to pass the exam.
- 私は試験に合格するために、英語を勉強している。
上記英文では、副詞句「to pass the exam」が、動詞「study」を修飾しています。
「to pass the exam」が、かたまりで副詞の役割を果たしていますよ。つまり「具体的な情報」を表している、ということ。
英語は結論ファーストの言語なので、上記のように「結論→具体」の順序で表される場合が多いです。
「to不定詞」は名詞と形容詞、副詞の役割ができます。さらに理解を深めたい方は、以下記事を参考にしてください。
4 英語の副詞|分詞構文
英語の分詞構文において、分詞のかたまりが「副詞」の役割を果たしますよ。
分詞構文|例文
- Entering the room, I saw Mary.
- 部屋に入ったとき、メアリーを見た。
上記英文では、副詞句「Entering the room,」が、主節「I saw Mary」を修飾しています。
つまり「Entering the room,」が、主節に対する「具体的情報」だということ。
修飾とは「美しく飾ること」なので、何らかのメインがある上で成立するのです。
- 最も伝えたい内容 ⇛ I saw Mary.
- 具体的な情報 ⇛ Entering the room,
以下記事で、分詞構文について詳しく解説しているので、参考にしてください。
英語の副詞|形容詞との違い
これまで解説してきた通り、副詞は動詞と形容詞、副詞、文全体を修飾する役割を持っています。
一方で名詞を修飾する場合には、形容詞を使って具体的に表現しますよ。
修飾のルール
- 名詞を修飾するのが形容詞
- 名詞以外を修飾するのが副詞
副詞と形容詞を正しく使い分けられれば、具体的な幅広い表現に繋がります。使い分けを以下で紹介しますね。
形容詞|例文
- I need complete rest.
- 私は完全な休息が必要です。
副詞|例文
- She completely denied it.
- 彼女はそれを完全に否定しました。
上記例文1では、形容詞「complete」が名詞「rest」を修飾していますよ。「どのような休息なのか?」を具体的に表しているのです。
上記例文2では、副詞「completely」が動詞「denied」を修飾しています。「どのように否定したのか?」を具体的に表現していますよ。
形容詞「complete」の語尾に「-ly」を付け足せば、副詞「completely」が完成。
名詞を修飾するのが形容詞、名詞以外を修飾するのが副詞だと意識しながら読解すると、文構造がクリアに見えてきますよ。
形容詞の使い方と修飾について、より深く学びたい方は以下記事を参考にしてください。
英語の副詞|まとめ
この記事では、英語の「副詞」の使い方と修飾について徹底解説してきました。
副詞は、名詞以外(動詞と形容詞、副詞、文全体)を修飾して、具体的な情報を追加する役割を持っています。
副詞1語と副詞句、副詞節による修飾を正しく理解すれば、英語表現の幅がグッと広がりますよ。
今回はこれで以上です。
読んで頂きありがとうございました。