この記事では、英語の「助動詞」の使い方や文構造、意味を基本から徹底解説していきます。
助動詞は名前からわかる通り、「動詞を助ける役割」があります。なので「助動詞+動詞の原形」の組み合わせ。
英文中で助動詞を使うことによって、自分自身の気持ちを正確かつ豊かに表現できるので、理解すべき必須文法ですよ。
本質イメージを理解することが大切なため、例文を使って解説進行しますね。
英語の助動詞とは
英語の助動詞を使うときは、「主語+助動詞+動詞の原形」の語順。
助動詞を単独で用いることはできなく、必ず動詞の原形と一緒に使われます。なぜなら動詞を補助する役割があるため。
助動詞で代表的な「will」や「can」は法助動詞と呼ばれ、話し手の「気持ち」を表せますよ。
英語で「法」は「mood(気持ち)」という意味なので、「will」などの法助動詞は、気持ちを表現するために使うのです。
例文を見ながら状況をイメージすれば理解が深まるので、1つひとつ丁寧に見ていきますね。
助動詞の使い方や構造も確認していきますが、本質のイメージから文脈によって日本語訳が変わることにも注目しましょう。
英語の助動詞|文構造
最初に、英語の助動詞を使うときの文構造を解説しますね。
「肯定文・否定文・疑問文」に分けて紹介するので、文構造やルールの理解が深まりますよ。
1 英語の助動詞|肯定文
助動詞|肯定文
- She will go to the party.
- 彼女は絶対パーティーに行きます。
助動詞を使うときは、「助動詞+動詞の原形」の形。上記では「will(助動詞)+go(動詞の原形)」の組み合わせ。
「She(彼女)」が三人称単数の主語ですが、助動詞の直後には動詞の原形が来るルールなので、「She will goes ~」の形にはなりません。
通常の現在形であれば、「She(彼女)」が「私とあなた以外の1人」だから、「She goes to the party.」の語順となりますよ。
2 英語の助動詞|否定文
助動詞の否定文を作るときは、助動詞の直後に「not」を置くだけ。
肯定文と否定文を比較しながら文構造の理解を深めますね。
助動詞|肯定文
- She will go to the party.
- 彼女は絶対パーティーに行きます。
助動詞|否定文
- She will not go to the party.
- 彼女は絶対パーティーに行きません。
助動詞の否定文は、「助動詞+not+動詞の原形」の語順。上記英文では「will(助動詞)+not+go(動詞の原形)」。
助動詞「will」の直後に「not」が置かれている、と考えてOK。
「will not」の短縮形が「won’t」なので、一緒に覚えておきましょう。日常会話では「won’t」で発音されることが多いですよ。
3 英語の助動詞|疑問文
助動詞を使った疑問文を作るときもシンプルなので、比較解説しますね。
主語と助動詞の位置が入れ替わるだけなので、位置変化に注目しましょう。
助動詞|肯定文
- She will go to the party.
- 彼女は絶対パーティーに行きます。
助動詞|疑問文
- Will she go to the party?
- 彼女は絶対パーティーに行きますか。
助動詞の疑問文は、「助動詞+主語+動詞の原形」の語順。上記英文では「Will(助動詞)+she(主語)+go(動詞の原形)」。
主語と助動詞の位置を入れ替えるだけなので、理解しやすいと思いますよ。主語の前に助動詞を持ってくると考えてもOK。
英語の助動詞「will」
助動詞「will」は、「主語+will+動詞の原形」の語順で構成。
「will」の本質イメージは「絶対に〜する(100%〜する)」。「確固とした強い意志」を表現できます。
名詞の「will」には、決意・遺言などの意味があり、これらの日本語から「強い意志力」を感じられますよね。
助動詞の意味やニュアンスを理解する上で最も大切なことは、核のイメージを掴むこと。
「will」の持っている「確固とした強い意志」が文脈によって、使い分けられているだけなのです。実際の使い分けを以下で紹介しますね。
1 英語の助動詞|意志未来の「will」
「will」の例文|意志未来
- I will go to the party.
- 私は絶対パーティーに行きます。
上記「will」例文では「絶対行くという確固とした強い意志」を表しており、自分自身の気持ちを表現。
「行くだろう」のような日本語訳をしてしまうと、あまりイメージが湧きませんよね。
「will」を訳す時には、「絶対に」「確実に」「100%」という日本語を加えることで、確固とした強い意志がイメージしやすくなりますよ。
さらには、今この瞬間に決定したことに「will」を使う場合が多く見られます。一方で、前から決定している予定には「will」を使えません。
前もって決めていた予定を表すときには、「be going to」を使うのです。「will」と「be going to」の違いは下記で解説。
「will」|例文
- I will go to the party.
- 私は絶対パーティーに行きます。
「be going to」|例文
- I am going to go to the party.
- 私はパーティーに行く予定です。
「will」を使うと「強い意志」を表す一方で、「I am going to go to the party.」では「前から決まっている予定」を表します。
「will」はその場で決めたときにも使えますが、「be going to」はその瞬間で決めたことには使えないので注意しましょう。
2 英語の助動詞|推量の「will」
「will」の例文|推量
- Mary will be in Tokyo.
- メアリーは東京にいるだろう。
上記英文では「推量のwill」が使われています。
「will」の本質イメージである「確固とした強い意志」が、文脈によって推量の意味に派生している、と考えましょう。
「メアリーは今絶対に東京にいる」という話し手の強い主観を表しているだけで、決定していた予定を述べているわけではないのです。
3 英語の助動詞|習性の「will」
「will」の例文|習性
- Oil will float on water.
- 油は水に浮くものだ。
上記英文では、「will」によって「モノの習性」を表しています。
「will」のイメージが「確固とした強い意志」なので、上記では「油は絶対に水に浮く」「100%浮く」のような訳し方が可能です。
習慣・習性は「絶対にすること」なので、「will」との相性が良いのですね。
「will」に色々な意味があると考えるよりも、「確固とした強い意志」のイメージを状況に合わせて使っていると捉えましょう。
4 英語の助動詞|拒絶の「will」
「will」の例文|拒絶
- I will not forget you.
- 私はあなたのことを絶対に忘れません。
上記英文では、「拒絶のwill」が使われていますよ。
「確固とした強い意志」を本質イメージとして持っておけば、一瞬で対応可能。
「絶対に忘れない」「100%忘れない」のような日本語訳を当てはめれば、「確固とした強い意志」が感じ取れますよね。
「will」がどんな状況で使われていても、「強い意志」をイメージすることでスムーズに理解可能なのです。
「will」に秘められている「確固とした強い意志」が、文脈によって使い分けられていると考えましょう。
英語の助動詞「would」
「would」は「will」の過去形助動詞。
「will」の過去形だから、過去に対して気持ちを述べるイメージがありますが、実際には「仮定法(未来に対する想像・仮定・願望)」で用いることが多いですよ。
「would+動詞の原形」を見かけたら、過去ではなくて「未来のこと」を表していると捉えましょう。
「would」を使って過去に対する表現をしたい場合は、「would+have+動詞の原形」で表します。
仮定法で使われることが多い「would」ですが、過去の習慣や時制の一致を表すときにも使えるので一緒に紹介しますね。
1 英語の助動詞|仮定法の「would」
仮定法「would」|例文
- 1 I would like to play soccer.
⇛ 私はサッカーをしたいと思っています。
- 2 If I were you, I would go out with her.
⇛ もし私があなたなら、彼女と付き合うのにな。
- 3 If I had had more money, I would have bought the car.
⇛ もしもっとお金を持っていたら、その車を買えたのにな。
上記英文1,2では、「would+原形」が使われているため、「未来に対する想像」だとわかります。
上記3では、「would+have+過去分詞」の形なので「過去に対する想像」です。
上記123全ての例文で、仮定法の「would」が使われていますよ。仮定法の「法」は、法助動詞の「法」と同じ意味で「mood(気持ち)」という日本語訳。
仮定法を使うことによって「想像・仮定・願望」を表せたり、丁寧で穏やかな表現をできたりしますよ。
仮定法はTOEICや日常会話で頻出英文法なので、より深く学びたい方は以下記事を参考にしてください。

2 英語の助動詞|過去の習慣を表す「would」
「would」の例文|習慣
- When I was a child, I would play soccer in the park.
- 私は子供の頃、よくその公園でサッカーをしていた。
上記「would」は、「過去によく〜したものだった」という意味。
上記英文では「would+play(動詞の原形)」の形で、過去に行っていた習慣を表しています。
習慣や習性を表すときに使うため、一時的な状態とは相性が悪いです。
3 英語の助動詞|時制の一致「would」
「would」の例文|時制の一致
- Mary said that she would contact me.
- メアリーは私に連絡すると言いました。
「would」は「willの直説法過去」として用いる場合がありますよ。
上記英文では「Mary said(メアリーが言った)」という過去時制に合わせて、that以下(言った内容)の時制を合わせる必要があるのです。
「Mary said that she will contact you.」にしてはダメということですね。過去から見た未来を表す場合に「would」を使うと考えてもOK。
英語の助動詞「can」
助動詞「can」は「能力」「可能性・推量」「許可」「依頼」の意味。
「can」の核イメージを「可能性を持っている」と捉えれば、派生している全ての意味に対応できます。「可能だ」「可能性がある」のような日本語でカバーしましょう。
「能力」を表す場合など、文脈ごとに例文を見ていくことでイメージ理解が深まりますよ。
1 英語の助動詞|能力の「can」
「can」の例文|能力
- I can speak English.
- 私は英語を話せます。
⇛ 私は英語を話すことが可能です。
上記英文では「話せます」「話すことができる」という日本語訳が一般的ですが、「内在的能力により〜が可能だ」のように訳した方がイメージが湧きますよ。
「可能性」という本質イメージを理解した上で、文脈によって使い分けましょう。
2 英語の助動詞|推量の「can」
「can」の例文|可能性・推量
- It can’t be true.
- それが本当であるはずがない。
⇛ それが本当である可能性がない。
上記では「can’t be」が使われており、「〜のはずがない」「〜ではありえない」という意味。
「can」が「〜できる」という意味でしか覚えていなかったら、上記英文に対応できませんよね。
「can」の本質である「可能性」を軸として、意味を考えるのがおすすめ。
「可能性がない」=「〜のはずがない」だと瞬時にイメージすることができますよ。
文法的には「cannot」の短縮が「can’t」になっているので、どちらにも対応できるようにしましょう。
3 英語の助動詞|許可の「can」
「can」の例文|許可
- Can I use your pen?
- あなたのペンを使ってもいいですか。
⇛ あなたのペンを使うことが可能ですか。
助動詞「can」は、上記のように「許可」を求めるときにも使えます。
「可能性」という本質から「許可」の意味に派生したと考えてOK。
「〜が可能ですか」という日本語を使っても、「許可」の場面を思い描けますよ。
4 英語の助動詞|依頼の「can」
「can」の例文|依頼
- Can you open the window?
- 窓を開けてくれますか。
⇛ 窓を開けることが可能ですか。
助動詞「can」によって、「依頼」の表現が可能。
上記英文を「開けることが可能ですか」という日本語に置き換えることで、対応がしやすくなりますよ。
「依頼のcan」と覚えるよりも、「可能性のcan」を文脈によって使い分けているだけ、と考えましょう。
英語の助動詞「could」
「could」は「can」の過去形助動詞。仮定法で使う場合と、「can」の直説法過去として使う場合に分かれます。
TOEICや日常会話では、仮定法の「could」として登場することが多いので、「could」を見かけたら「仮定法が使われているかも?」と疑ってみましょう。
1 英語の助動詞|仮定法の「could」
「could」の例文|仮定法
- If I had more money, I could buy the car.
- もし私にもっとお金があれば、その車を買えるのにな。
助動詞「could」を使って、「未来に対する想像・仮定・願望」を表すことが可能です。
過去形助動詞「could」「would」は、仮定法で使われることが圧倒的に多いです。上記英文では「if節」で前提条件を置いて、未来のことを想像していますね。
「現実とは反対のこと」「可能性が低いこと」を表すときに使える仮定法ですが、シンプルに未来に対する「想像」をしているときや、「丁寧で穏やかな表現」をしているときがあるため、本質のイメージを正しく理解すべき。
仮定法の本質を理解したい方は、以下記事を参考にしてください。

2 英語の助動詞|過去を表す「could」
「could」の例文|「can」の直説法過去
- I could swim when I was a child.
- 私は子供のころ泳ぐことができた。
助動詞「could」を使って、過去における「能力」を表現可能。
ただし上記「could」を使うときは、過去のある期間を示す語句を伴う必要があり、過去期間中での「継続的な能力」を表します。
過去における特定の状況で「〜することができた」と表したい場合には、「was able to」を使いますよ。
日本語でも「could(過去に継続していたからできたこと)」と「was able to(1回限りで達成できたこと)」に分けて表現しますよね。
「could」と「was able to」の比較例文
- 1 I could swim when I was a child.
⇛ 私は子供のころ泳ぐことができた。(継続的な能力)
- 2 I was able to swim.
⇛ 私は泳ぐことができた。(1回限りの達成)
上記のように「could」と「was able to」には明確な違いがあります。
しかし「could」の否定「couldn’t」は、「1回限りで〜できなかった」ときにも使えますよ。
「couldn’t」の例文
- I couldn’t catch the bus.
- 私はバスに乗ることができなかった。
助動詞「couldn’t」を使えば、上記英文のように自然に「〜することができなかった」を表せますよ。
つまり、否定文だと「単発でできなかったこと」を表現可能なのです。
3 英語の助動詞|依頼の「could」
「could」の例文|依頼
- Could you open the window?
⇛ 窓を開けてくださいませんか。
「could」の例文|許可
- Could I open the window?
⇛ 窓を開けてもよろしいですか。
上記のように、「Could you ~」「Could I ~」を使って、丁寧で穏やかな表現が可能です。
「Couldn’t you open the window ?」にすることで、より強い依頼を表すことができます。
仮定法「could」の中に、「依頼・許可のcould」が含まれているのです。
仮定法では「未来に対する想像」や「丁寧で穏やかな表現」ができるため、人にお願いをする場面と相性が良いですよ。
「もしよろしければ、窓を開けてくださいませんか」のように、仮定の意味が隠れていると考えてもいいでしょう。
英語の助動詞「shall」
助動詞「shall」は「Shall I ~?」「Shall we ~?」の「提案」のイメージが強いですが、「shall」は「will」と同様に、意志未来を表現可能です。
決意や約束などを表して「〜しよう(未来)」という意味。
本質は「神の意志や運命によって決まっている」というニュアンス。
「shall」は「will」よりもフォーマルな表現なので、日常会話では「will」の方が使われますよ。
1 英語の助動詞|意志未来の「shall」
「shallの例文」|意志未来
- I shall play soccer tomorrow.
- 私は明日サッカーをします。
⇛ 明日サッカーをする運命だ。
上記英文では、「shall(助動詞)+play(動詞の原形)」の語順。
「神の意志や運命」という本質イメージを基として、訳の語尾に「運命」を付け足せば、理解しやすくなりますよ。
2 英語の助動詞|提案の「shall」
「shall」の例文|提案
- Shall we dance?
- 踊りましょうか。
⇛ 一緒に踊る運命だ。
上記英文は「shall」を使った疑問文。「we shall dance.(肯定文)」の疑問文なので、「we」と「shall」が入れ替わっています。
相手の意志を尋ねて、「〜しましょうか(提案)」を表現していますよ。「運命で踊ることが決まっている」のようなニュアンス。
意志未来の時と同じく「運命」という日本語を補うことで、感情や場面のイメージが容易くなります。
英語の助動詞「should」
助動詞「should」は「shall」の過去形。「主語+should+動詞の原形」の語順で「〜すべき」「〜して当然である」という意味を表現。
「should」には強い義務のイメージがありますが、実際には「優しい提案」を表せますよ。
「〜すべき」というより、「〜した方がいいよ」という日本語訳で考えたほうが、優しい穏やかな雰囲気を理解できるはず。
前提として助動詞「should」は仮定法なので、「丁寧で穏やかな表現」になるのです。
1 英語の助動詞|提案の「should」
「should」の例文|提案
- You should go to the party tonight.
- 今夜パーティーに行くべき。
⇛ パーティーに行ったほうがいいよ。
上記では「should(助動詞)+go(動詞の原形)」の語順。助動詞「should」を使うことで、相手に穏やかな提案をすることが可能。
強い義務を表しているわけではなく、「行くのがおすすめ」のような優しいアドバイスをしているだけ。
「should」を助動詞の「ought to」に変えて、「You ought to go ~」の形にもできますよ。
「ought to do」は「must」よりも意味が弱く、「should」よりも強い義務や忠告、助言を表します。
2 英語の助動詞|推量の「should」
「should」の例文|推量
- It should be difficult.
- それはたぶん難しいよ。
助動詞「should」によって、現在時における推量を穏やかに表すことができますよ。
「たぶん〜だ」「〜のはずだ」という意味で、推量の確信度が「will」よりは低め。
3 英語の助動詞|仮定法過去完了「should」
※「should」の例文|仮定法過去完了
- I should have finished my homework.
- 私は宿題をすべきであったのに。
⇛ 実際にはしなかったことを含意
「should」は「should+have+done(仮定法過去完了)」で使われやすい助動詞。
「should+have+動詞の過去分詞」の形にすることで、過去に対する「後悔」を表現可能なのです。
日常生活で後悔を表すことが多いため、「後悔を言うときのフレーズ」として覚えてもいいでしょう。
4 英語の助動詞|仮定法未来「should」
「should」の例文|仮定法未来
- If you should have any questions, please let me know.
- もし万が一質問があれば、私に知らせてください。
「should」は仮定法未来の「if節中」で使うことが可能。「should」を使った仮定法未来では、実現可能性がかなり低いことを表すときに使います。
5 英語の助動詞|仮定法現在「should」
「should」の例文|仮定法現在
- I suggest that she should go to the party.
- 私は彼女がパーティーに行くべきだと提案します。
「suggest」「recommend」「demand」「propose」など、「提案・要求・必要」を表す動詞に続く「that節中」に「should」を使う英文をよく見かけますよ。
上記英文は仮定法現在と呼ばれ、提案系の動詞と仮定法の相性が良いため、節中で「should」が使われているのです。
「I suggest that she go ~」のように、「should」が省略されるパターンもあるので注意しましょう。
英語の助動詞「may」
助動詞「may」は「許可」「可能性・推量」の意味を表現。許可の場合は「〜してよい」、推量の場合には「〜かもしれない」。
本質としては、「約5割の確率で起こると考えていること」を表現します。
「May I ~ ?(許可)」で「〜してもよろしいですか」を表すので、それぞれ例文を見てきますね。
1 英語の助動詞|許可の「may」
「may」の例文|許可
- 1 You may use my pen.
⇛ 私のペンを使ってもよい。(肯定文)
- 2 You may not use my pen.
⇛ 私のペンを使ってはいけない。(否定文)
上記の肯定文では「使っても良い」という許可を表しており、否定文では「使ってはいけない」という禁止の意味を表現。「must not」よりは軽い禁止です。
許可を表す「may」は、立場が上の人が下の人に許可を与えるニュアンスがあるため、相手との関係性に注意しましょう。
2 英語の助動詞|推量の「may」
「may」の例文|推量
- It may rain tomorrow.
- 明日雨が降るかもしれない。
推量を表す「may」は確信度50%のとき。つまり話し手が、5割の確率で雨が降ると考えているのです。
日常会話で「確信度が50%くらいの予想」を伝えたい時に、ピッタリな表現だと思います。
3 英語の助動詞|「May I」
「May I ~」の例文
- May I ask you a favor?
- お願いをしてもよろしいですか。
「may」を疑問文にして「May I ~ ?」の形にすると、「〜してもよろしいですか」という意味を表せます。
相手の権限を尊重する質問であり、「Can I ~?」よりも丁寧なニュアンス。
「Can I ~ ?」を使うのが一般的ですが、相手との関係性や状況によっては「May I ~?」が適しています。
英語の助動詞「might」
助動詞「might」は「may」の過去形。「may」と同じく「〜してもよい(許可)」「〜かもしれない(推量)」を表します。
「might」の方が可能性が低いことを表したり、丁寧な表現であったりするが、「may」と「might」の強さの差はあまりないと考えてOK。
1 英語の助動詞|許可の「might」
「might」の例文|許可
- Might I go to the party?
- パーティーに行ってもよろしいですか。
「Might I ~ ?」の形で「〜してもよろしいですか」という許可を表現。
「May I ~ ?」よりも控え目で丁寧な表現ですが、仮定法で考えると「Could I ~?」を使う方が一般的。
注意点として「might」は相手に許可を与える用法がなく、「You might go now.(もう行ってもよい)」には出来ない。許可を与える場合には「You may go now.」の形にしましょう。
2 英語の助動詞|推量の「might」
「might」の例文|推量
- I might go out with her.
- 私は彼女と付き合えるかもしれない。
「might+動詞の原形」で「ひょっとして〜かもしれない」という意味を表現可能。仮定法の「would」「could」と同様に、未来に対する想像を表します。
上記英文では「もしかすると付き合えるかも」のような「控えめな想像」をしていますよ。「may(50%)」よりも確信度が低く、30%程度の可能性。
英語の助動詞「must」
助動詞「must」は「〜しなければならない(義務)」と「〜にちがいない(推量)」の意味を表現。
さらには否定形「must not(mustn’t)」で「〜してはいけない(禁止)」の意味を表します。
1 英語の助動詞|義務の「must」
「must」の例文|義務
- I must study English.
- 私は英語を勉強しなければならない。
上記では「must(助動詞)+study(動詞の原形)」の語順。
私自身の「主観的な義務」を表しており、「ought to」「should」よりも必要の度合いが強いです。
義務の「must」は「have to」と比較されることが多いので、明確な違いを下記例文で解説しますね。
2 助動詞「must」と「have to」の違い
「must」と「have to」の比較例文
- 1 I must study English.
⇛ 私は英語を勉強しなければならない。
- 2 I have to study English.
⇛ 私は英語を勉強しなければならない。
上記英文では「must」と「have to」のどちらも「〜しなければならない(義務)」を表します。
ただし「must」は主観的、「have to」は客観的であり、「must」を使う場合は「話し手の強い意志」が含まれています。
「have to」は「外部要因により〜しなければならない」状況で使われることが多いですね。
- 自分の意志によって英語の必要性を感じている場合 ⇛ 「must」を使う。
- 母に英語の宿題をしなさいと言われている場合 ⇛ 「have to」が適している。
自分自身の気持ちやその時の状況によって、「must」と「have to」を使い分けましょう。
3 英語の助動詞|必然性・推量の「must」
「must」の例文|推量
- She must be tired.
- 彼女は疲れているに違いない。
助動詞「must」によって「必然性・推量」を表現可能。
「〜にちがいない」「どうみても〜と考えられる」という意味。話し手の「強い確信」を表します。
さらには「must+have+過去分詞」の形で、「〜したにちがいない」「もう〜したに相違ない」という過去に対する推量も表せますよ。
「must have done」の例文
- She must have studied English.
- 彼女はもう勉強したに違いない。
上記例文のように、推量の「must」は過去に対する表現が可能ですが、「義務のmust」には過去に対する表現方法がありません。
過去の義務を表す場合には、「have to」の過去形「had to」を使う必要があるのです。
「had to」の例文
- I had to study English yesterday.
- 私は昨日英語を勉強しなければならなかった。
4 英語の助動詞|禁止を表す「must not」
「must」の例文|禁止
- You must not(mustn’t)play soccer here.
- あなたはここでサッカーをしてはいけない。
助動詞「must」により「禁止」の表現が可能。「〜してはいけない」「〜すべきではない」という意味。
「must not」は「may not」よりも強い禁止を表しており、強制的なニュアンスが含まれています。
ここでは例文を使って「must not」と「don’t have to」の違いに対する理解を深めましょう。
「must not」と「don’t have to」の比較例文
- 1 You must not play soccer here.
⇛ あなたはここでサッカーをしてはいけない。
- 2 You don’t have to play soccer here.
⇛ あなたはここでサッカーをする必要がない。
上記において「must」では強い禁止を表してますが、「don’t have to」は禁止ではなく、「〜する必要がない」「〜しなくても良い」という意味。
否定文で使うときは、全然意味とニュアンスが異なるので注意しましょう。
英語の助動詞|まとめ
この記事では、英語の「助動詞」の使い方や文構造、意味を例文を使って徹底解説してきました。
助動詞の本質イメージを理解した上で、話し手の感情やその場の状況に合わせて、正しい助動詞を選びましょう。
「助動詞+動詞の原形」の語順理解と一緒に、イメージ理解を大切にすることで、英語学習が効果的になりますよ。
今回はこれで以上です。
読んで頂きありがとうございました。