英文法

英語の「前置詞」|前置詞の使い方と意味、文構造を徹底解説

 

この記事では、英語の「前置詞」の使い方と意味、文構造を徹底解説していきます。

正しい英語は、「完全な文」+「前置詞句(修飾箇所)」で作り上げることができますよ。

前置詞句(前置詞のかたまり)は、文中で副詞や形容詞の働きをして、「具体的情報」を表します。

例文を参考としながら噛み砕いて解説するので、前置詞に対する知識が深まると思います。

 

英語の前置詞とは

 

前置詞とは品詞の1つであり、「前置詞+名詞」が1セットで用いられます。

前置詞が単独で存在することはできなく、前置詞と名詞(前置詞の目的語)を一緒に使う必要がありますよ。

例えば「in Tokyo」では、前置詞「in」の後に名詞「Tokyo」が伴っていますね。「前置詞+名詞」は1まとまりで、前置詞句と呼ばれます。

前置詞句は、文中で副詞か形容詞の働きをするので、完全な文の外側に置かれますよ。なので「SVOC」のどれにもなりません。

正しい英文は、「完全な文(5文型)」+「前置詞句」で構成されているのだ、と考えましょう。

 

英語の前置詞|使い方

 

英語の前置詞の使い方について、文構造の視点から解説していきますね。

前置詞の学習では、前置詞の核イメージを理解することが大切なので、核イメージについても掘り下げますよ。

この記事では、日常で頻繁に用いられる代表的な「前置詞9語」を例文と一緒に紹介します。

 

1 英語の前置詞「in」

 

前置詞「in」は、「〜の中に、〜の中で(の)」という意味。

「in」の核イメージを「空間の中」と考えれば、様々な文脈で対応できますよ。

 

「in」|例文 

  • I live in Tokyo.
  • 私は東京に住んでいます。

上記英文では、前置詞句「in Tokyo」が動詞「live」を修飾していますよ。

第1文型「I live」で文が完成しており、「in Tokyo」が副詞の役割(修飾の役割)をしているのです。

副詞の役割をしている「前置詞句」が完全な文の外側に置かれて、「具体的情報」を述べているのだ、と捉えましょう。

 

  • 完全な文 ⇛ I live.(私は住んでいます)
  • 具体的情報 ⇛ in Tokyo(東京の中に)

「in Tokyo」を直訳すると、「東京の中に」という意味。

「in」のイメージを「空間の中」だと理解していれば、「Tokyoという空間の中」だと瞬時にわかりますよね。

「in」の本質を理解するために、以下例文で「空間の中」を軸に考えてみましょう。

 

「in」|例文

  • I have lunch in the office.
  • 私はオフィスでランチを食べます。

⇛「オフィス」という空間の中

  • I was in conversation with a friend.
  • 私は友人と話をしていました。

⇛「会話」という空間の中

  • You will find this passage in Shakespeare.
  • この一節はシェークスピアの作品の中にあります。

⇛「作品」という空間の中

  • I learned English in five weeks.
  • 私は5週間で英語を身につけました。

⇛「5週間」が幅のある期間(空間的)

  • Mary was born in 2021.
  • メアリーは2021年に生まれました。

⇛「2021年」が幅のある期間(空間的)

  • I am in love with her.
  • 私は彼女を愛しています。

⇛「愛」という空間の中

 

前置詞「in」の核イメージを「空間の中」だと理解していれば、場所や時、状態など意味が変化しても対応可能ですよ。

「in the office」のような場所だと理解しやすいと思いますが、「in love」のような「抽象的なことの中」の場合にも、「in」が使えるのです。

 

2 英語の前置詞「at」

 

前置詞「at」の核イメージは「一点を指し示す」。主に「場所と時」の意味で用いられますよ。

 

「at」|例文 

  • I met Mary at Tokyo station.
  • 私は東京駅でメアリーと会いました。

上記英文では、前置詞句「at Tokyo station」が動詞「met」を修飾しています。

第3文型「I met Mary.」で文が完成しており、前置詞句「at Tokyo station」は副詞の役割をしているのです。

 

  • 完全な文 ⇛ I met Mary.(私はメアリーと会いました)
  • 具体的情報 ⇛ at Tokyo station.(東京駅で)

場所(駅や空港、地点)を表す前置詞「at」は、「地図上の一点」を指し示しているイメージ。

「Tokyo station(東京駅)」を「地図上の一点」として捉えているので、前置詞「at」が適していますよ。

「at」の核イメージを「一点を指し示す」と考えれば、様々な文脈で対応可能です。

 

「at」|例文

  • I was at the station.
  • 私は駅にいました。

⇛ 地図上の「一点」を指し示す

  • The train left at 5 o’clock.
  • 電車は5時に出発しました。

⇛ 時間の流れの中で「一点」を指し示す

  • Look at me.
  • 私を見てください。

⇛ 選択的に「一点」を指し示す

  • I’m good at playing soccer.
  • 私はサッカーをするのが得意です。

⇛ 色々スポーツがある中で、「サッカー(一点)」を指し示す

  • I pointed at the house.
  • 私はその家を指し示しました。

⇛ 家そのもの(一点)を指し示す

 

3 英語の前置詞「to」

 

前置詞「to」の核イメージは「到達」。(※到達→ある状態や目的に行き着くこと。)

例文を参考として、「to(到達)」のイメージを膨らませると、スムーズに理解できますよ。

 

「to」|例文 

  • I go to school.
  • 私は学校に行きます。

上記英文は、第1文型「I go」で文が完成しており、前置詞句「to school」が動詞「go」を修飾しています。

 

  • 完全な文 ⇛ I go.(私は行きます)
  • 具体的情報 ⇛ to school(学校に)

前置詞「to」のイメージが「到達」なので、「学校に向かっていき、到着する」というニュアンス。

「to」のイメージをより鮮明にするために、何個か例文を見ていきましょう。

 

「to」|例文

  • The tree fell to the ground.
  • その木は地面に倒れました。

⇛ 木が地面に到達

  • The traffic light changed to red.
  • 信号が赤に変わりました。

⇛ 信号が赤に到達

  • I spoke to Mary.
  • 私はメアリーに話しかけました。

⇛ 話すという動作がメアリーに到達

  • I apply paint to the wall.
  • 私は壁にペンキを塗ります。

⇛ ペンキが壁に到達

  • She returned to Tokyo.
  • 彼女は東京に帰りました。

⇛ 彼女が東京に到達

  • The game lasted to 9:00.
  • その試合は9時まで続きました。

⇛ 9時が試合の到達点

 

「to」のイメージを「到達」だと理解していれば、方向や状態の変化、時間の限界など派生した意味に対応可能ですよ。

核のイメージを理解してから、様々な場面で「到達」のイメージを思い浮かべてみましょう。

 

4 英語の前置詞「for」

 

前置詞「for」の核イメージは「方向性」。

「何かに向かっている方向性」をイメージすれば、派生した意味に対応できますよ。

「to」が到達点を含めた方向性だったのに対して、「for」には到達の意味が含まれておらず、対象や目的、目標に向かっていくというニュアンス。

 

「for」|例文 

  • This train is bound for Tokyo station.
  • この電車は東京駅行きです。

上記英文では、第2文型「This train is bound」で文が完成しており、前置詞句「for Tokyo station」は副詞の役割をしています。

副詞の働きをする「for Tokyo station」が、形容詞「bound」を修飾しているのです。

 

  • 完全な文 ⇛ This train is bound.
  • 具体的情報 ⇛ for Tokyo station

前置詞「for」のイメージが「方向性」。

「This train is bound for Tokyo station.」において、前置詞「for」は「Tokyo station(東京駅)」へ向かっている、というニュアンスを表せるのです。

ただし「for」は「対象への方向性」を表しているだけなので、東京駅に到達するかどうかはわかりません。

「for」のイメージ理解を深めるために、以下で例文を紹介しますね。

 

「for」|例文

  • I left London for New York.
  • 私はロンドンを出発してニューヨークへ向かいました。

⇛ ニューヨーク(対象)に向かっていく
⇛ 到着するかどうかはわからない

  • Dash for the door.
  • ドアに向かって突進してください。

⇛ ドアの方向に向かっていく
⇛「to」だと到達点のドアを含む

  • I am for bed.
  • 私は寝るところです。

⇛ 寝る方向へ向かっていく
⇛ まだ寝ていない

  • I’m saving up for a new car.
  • 私は新車のために貯金をしています。

⇛ 新車という目標に向かっていく
(目的・目標の for )

  • See page 3 for further details.
  • 詳細については3ページを見てください。

⇛ 詳細という方向へ向かっていく
(関連のfor)

  • I will prepare for an examination.
  • 私は試験の準備をします。

⇛ 試験という目的に向かっていく
(準備のfor)

 

「for」のイメージを「方向性」だと理解していれば、対象や目的、目標、関連、準備など派生した意味に対応できます。

前置詞は核のイメージから様々な意味に派生しているので、意味ごとに暗記するよりも、イメージ理解を大切にしましょう。

 

5 英語の前置詞「on」

 

前置詞「on」の核イメージは「接触」。

「上に乗っている」イメージがありますが、上面だけではなくて、下面や側面との「接触」をも表します。

 

「on」|例文 

  • My dog is sleeping on the sofa.
  • 私の犬はソファーの上で寝ています。

上記英文では、第2文型「My dog is sleeping」で文が完成しており、「on the sofa」が副詞の役割を果たしています。

前置詞句「on the sofa」が「is sleeping」を修飾しているのだ、と考えましょう。

 

  • 完全な文 ⇛ My dog is sleeping.(私の犬は寝ています)
  • 具体的情報 ⇛ on the sofa(ソファーの上で)

「My dog is sleeping on the sofa.」において、ソファーの上で寝ている犬は、ソファーに「接触」していますよね。

「ソファーにくっついて寝ている」と捉えてもいいでしょう。「接触」や「くっついている」など、イメージしやすい日本語で考えればOKかと。

前置詞「on」が持つ「接触」のイメージをより理解するために、例文を参考としますね。

 

「on」|例文

  • There is a picture on the wall.
  • 壁に絵が掛かっています。

⇛ 絵と壁が接触
⇛ 壁にくっついれていれば、側面でもOK

  • I kissed her on the forehead.
  • 彼女のひたいにキスをした。

⇛ 唇とひたいが接触
⇛ 接触していれば、上下、側面すべてOK

  • She is on the job.
  • 彼女は仕事中です。

⇛ 彼女と仕事がくっついている
⇛ 比喩的にも使われる

  • I depend on my parents.
  • 私は両親に依存しています。

⇛ 私と両親がくっついている
⇛ 心理的な接触

  • I will see you on Christmas Eve.
  • クリスマスイブに会いましょう。

⇛ 特定の日付に接触

 

「on」の核イメージ「接触」を理解してから、例文1「壁と絵が接触している、くっついている」場面を想像すると、知識が定着しやすくなりますよ。

さらに継続や依存をしている際には、「人・もの・こと」にくっついているイメージができますよね。

 

6 英語の前置詞「by」

 

前置詞「by」の核イメージは「近接」。

「すぐ近くにいる(ある)」というイメージを持っていれば、様々な場面で活用できますよ。

 

「by」|例文 

  • She is standing by the window.
  • 彼女は窓の近くに立っています。

上記英文は、第2文型「She is standing.」で文が完成しており、「by the window」は副詞の役割を果たしています。

前置詞句「by the window」が、形容詞「is standing」を修飾していますよ。

 

  • 完全な文 ⇛ She is standing.(彼女は立っています)
  • 具体的情報 ⇛ by the window(窓の近くに)

「by the window」において、「by」は「窓」のすぐ近くにいることを指しています。

「窓のすぐ近く」「窓のすぐそば」という日本語を補えば、状況をイメージしやすくなるでしょう。

「by」の核イメージ「近接」をより理解するために、例文を見ていきましょう。

 

「by」|例文

  • I live by the river.
  • 私は川の近くに住んでいます。

⇛ 川の見えるところに住んでいる
⇛「near the river」だと、数キロ離れていてもOK。

  • The car sped by the house.
  • 車が家のそばを走り過ぎて行きました。

⇛ 家のすぐ近くを表している

  • I passed the examination by working hard.
  • 私は一生懸命に勉強して試験に合格しました。

⇛ 手段の「by」、近接のイメージから派生

  • I will leave by six tonight.
  • 私は6時までに出発します。

⇛ 時間的に「近接」している

  • They shall be judged only by God.
  • 彼らを裁けるのは神だけでしょう。

⇛「by+動作主」、動作主を強調するときに用いられる

 

7 英語の前置詞「from」

 

前置詞「from」の核イメージは「起点」。

「出発点」や「物事が始まる点」をイメージしてみましょう。

 

「from」|例文 

  • I am from Tokyo.
  • 私は東京出身です。

上記英文では、第1文型「I am」で文が完成しており、前置詞句「from Tokyo」は副詞の役割をしていますよ。

前置詞句「from Tokyo」が be動詞「am」を修飾しているのです。

 

  • 完全な文 ⇛ I am.
  • 具体的情報 ⇛ from Tokyo

前置詞「from」は、場所や時の「起点」となることが多いです。

「I am from Tokyo.」に関しては、「東京が起点」→「東京で生まれた」→「東京出身」のように考えればOK。

「起点」のイメージを膨らませるために、以下で例文を紹介しますね。

 

「from」|例文

  • I walked from Tokyo station to Tokyo Tower.
  • 私は東京駅から東京タワーまで歩きました。

⇛ 東京駅が起点、東京タワーが到達点

  • Coffee is made from coffee beans.
  • コーヒーはコーヒー豆から作られます。

⇛ コーヒー豆が起点(原料)

  • She is tired from overwork.
  • 彼女は働きすぎて疲れています。

⇛ 働きすぎが起点(原因)

 

8 英語の前置詞「with」

 

前置詞「with」の核イメージは「一緒」。

「〜と一緒に」というイメージを、文脈によって使い分けているだけ。

 

「with」|例文 

  • I argued with Mary.
  • 私はメアリーと議論しました。

上記英文では、第1文型「I argued」で文が完成しており、前置詞句「with Mary」は副詞の役割をしていますよ。

前置詞句「with Mary」は、動詞「argued」を修飾しています。

ちなみに「argue」が自動詞なので、直後に目的語がありません。完全な文を見極める上では、自動詞と他動詞の区別が必要。

 

  • 完全な文 ⇛ I argued.(私は議論しました)
  • 具体的情報 ⇛ with Mary(メアリーと一緒に)

「I argued with Mary.」において、「with Mary」は「メアリーと一緒に」という意味。

議論するには相手が必要なので、「一緒を表す with 」が適しているかと。

「〜と一緒に」や「〜と共に」という日本語で直訳すれば、核のイメージが想像しやすいですよ。

 

「with」|例文

  • I had a quarrel with Mary.
  • 私はメアリーと口論しました。

⇛ メアリーと一緒に

  • I am staying with my friend.
  • 私は友達の家に滞在しています。

⇛ 友達と一緒に

  • I like tea with lemon.
  • 私はレモンティーが好きです。

⇛ ティーとレモンが一緒

  • I want a house with a large garden.
  • 私は広い庭付きの家がほしいです。

⇛ 家と庭が一緒
(家に庭が伴っているイメージ)

  • I have no money with me.
  • 私はお金の持合わせがありません。

⇛ 「私の身につけて」というイメージ

 

9 英語の前置詞「of」

 

前置詞「of」の核イメージは「全体の一部」。

主には「A of B(一部 of 全体)」の形で、所属や所有の意味で用いられることが多いです。

 

「of」|例文 

  • I am a member of the soccer team.
  • 私はサッカーチームの一員です。

上記英文では、第2文型「I am a member」で文が完成しており、前置詞句「of the soccer team」は修飾の役割を果たしています。

「a member of the soccer team」では、「サッカーチーム」が全体で、「一員」が一部だと考えましょう。

 

「of」|例文

  • I will create the leg of the table.
  • 私はテーブルの脚を作ります。

⇛ テーブルが全体、脚が一部

  • I made a copy of the bible.
  • 私は聖書のコピーを作成しました。

⇛ 聖書が全体、コピーが一部

  • Mary is one of my friends.
  • メアリーは私の友達の1人です。

⇛ 友達が全体、1人が一部

 

英語の前置詞|使い分け

 

前置詞は日付や場所とセットで用いられますが、核のイメージを基に使い分ける必要があります。

この記事では、日付と場所に関する「at」と「in」「on」の使い分けを解説しますね。

補足として「to」と「for」の違いも、例文を参考として掘り下げていきます。

 

1 前置詞「at」「in」「on」の違い|日付

 

「at」|例文 

  • School begins at 8:30.
  • 授業は8時半に始まります。

前置詞「at」の核イメージは「一点」。時間の流れの中で、「8時半」を「一点」として認識しています。

 

「in」|例文 

  • It usually snows here in winter.
  • ここは普通、冬に雪が降ります。

前置詞「in」の核イメージは「空間の中」。

「winter(冬)」には期間の幅があり、「立体空間」を感じられますよね。「in spring」や「in summer」なども同様。

 

「on」|例文 

  • It happened on 17th of August.
  • それは8月17日に起こりました。

前置詞「on」の核イメージは「接触」。

「8月17日」という特定の日付に「くっついている」イメージ。特定の日付を表す場合には、「on」を使いましょう。

 

2 前置詞「at」「in」「on」の違い|場所

 

「at」|例文 

  • I will meet you at the station.
  • 私は駅であなたに会います。

前置詞「at」の核イメージは「一点」。

上記では「駅」を地図上の一点だと捉えた結果、「at the station」の組み合わせになりました。

 

「in」|例文 

  • He is in heaven.
  • 彼は天国にいます。

前置詞「in」の核イメージは「空間の中」。

「天国」は空間的に捉えられるため、「in heaven」が適しているのです。

場所に対して「立体空間」を感じたら「in」を使う、と考えていいでしょう。

 

「on」|例文 

  • I am sitting on the bench.
  • 私はベンチに座っています。

前置詞「on」の核イメージは「接触」。

ベンチに座るときは、体がベンチにくっついているので、「on the bench」の組み合わせが適しています。

 

3 前置詞「to」と「for」の違い

 

前置詞の「to」と「for」は意味が似ているために、少し混乱することがありますよね。

この記事で紹介したとおり、「to」は到達、「for」は方向性のイメージで考えれば対応可能です。

 

「to」|例文 

  • I go to school.
  • 私は学校に行きます。

前置詞「to」のイメージが「到達」。

「学校に向かっていき到着する」というニュアンスが含まれています。

 

「for」|例文 

  • I left London for New York.
  • 私はロンドンを出発してニューヨークへ向かいました。

前置詞「for」のイメージが「方向性」。

「ニューヨーク」の方向に向かうことを表現。向かっているだけで、到達するかどうかはわからないのです。

最後に前置詞「to」と「for」を入れ替えただけの例文を見ていきましょう。

 

「to」|例文 

  • She ran to the door.
  • 彼女はドアのところへ走って行った。

「for」|例文 

  • She ran for the door.
  • 彼女はドアを目がけて走って行った。

前置詞「to」は方向の意味に加えて、ドアに「到達」したことを示していますよ。

一方で前置詞「for」は、ドアの方向に「向かっただけ」で、到達したかどうかはわかりません。

「to」と「for」を見極める際は、「到達点が含まれているかどうか?」で考えればいいでしょう。

 

英語の前置詞|接続詞との違い

 

英文を読み進めていくときは、前置詞か接続詞のどちらが使われているかを見極める必要がありますよ。

前置詞と接続詞は、どちらとも完全な文の外側で「修飾の役割」を果たします。

ただし文構造が異なるため、語順に注目すればスムーズに見極めることが可能です。

 

前置詞と接続詞の構造

  • 前置詞 ⇛ 前置詞+名詞
  • 接続詞 ⇛ 接続詞+主語+動詞

「前置詞+主語+動詞」の形は存在しません。前置詞は後ろに前置詞の目的語しか取れないのです。

前置詞「because of」と接続詞「because」の違いを以下で紹介しますね。

 

前置詞|例文

  • I couldn’t come to class because of a bad cold.
  • 私はひどい風邪が理由で、授業に出られなかったです。

接続詞|例文

  • I couldn’t come to class because I had a bad cold.
  • 私はひどい風邪をひいたので、授業に出られなかったです。

前置詞「because of」は名詞とセットにする必要があるので、例文1では「because of a bad cold」の語順になっています。

接続詞「because」は、「because+主語+動詞」の語順で作る必要がありますよ。例文2は「because I had a bad cold」の語順になっていますよね。

文構造に注目して、「because of 名詞」と「because+主語+動詞」を正しく使い分けましょう。

接続詞の使い方や文構造、意味を詳しく理解したい方は、以下記事を参考にしてください。

英語の「接続詞」|等位接続詞と従位接続詞について基礎から徹底解説この記事では、英語の接続詞(等位接続詞・従位接続詞)について使い方や文構造、意味を徹底解説していきます。接続詞を使えば「文と文」を結び付けられるので、豊かな幅広い表現に繋がりますよ。表現に「説得力」を持たせるためにも接続詞の理解が大切。接続詞の使い方や文構造を正しく理解するために、実際の例文を使って具体的に掘り下げますね。...

 

まとめ|英語の前置詞

 

この記事では、英語の「前置詞」の使い方と意味、文構造を徹底解説してきました。

前置詞が使われている英文を参考として、「完全な文+前置詞句」がどのように構成されているのか、を掘り下げましたね。

さらには前置詞が持っている核イメージを基に、「イメージからの派生」のパターンを紹介したので、前置詞の本質が理解できたと思います。

今回はこれで以上です。

読んで頂きありがとうございました。