英文法

英語の「形容詞」|形容詞の使い方と修飾について徹底解説

 

この記事では、英語の「形容詞」の使い方と修飾について徹底解説してきます。

形容詞を使うと、名詞を修飾(具体化)することができます。

名詞を修飾することによって、「具体的な説明」が可能となるので、文中における形容詞の役割が非常に大切ですよ。

例文を参考として1つひとつ丁寧に解説するので、形容詞に対する理解が深まると思います。

 

英語の形容詞とは

 

形容詞は品詞の1つであり、「人・もの・こと」の状態や性質を詳しく表す言葉。

文中で名詞を具体的に表現したいときは、形容詞を使って名詞を修飾しますよ。

例えば「cute girl(可愛い女の子)」のように、形容詞「cute」が名詞「girl」を修飾できます。

名詞「girl」だけでは情報が少ないですよね。形容詞「cute」を使えば、「どのような女の子なのか?」が限定されるのです。

「修飾」は、「限定」「具体化」のような日本語で考えれば、イメージしやすいと思います。

修飾 ⇛ 文法で、ある語句が他の語句の意味を限定したり、詳しく表したりすること。

 

英語の形容詞|使い方

 

形容詞の用法は、叙述用法と限定用法に分けられます。

  1. 叙述用法 ⇛ 第2文型「SVC」や第5文型「SVOC」で、形容詞を使う場合
  2. 限定用法 ⇛「形容詞+名詞」「名詞+形容詞」のセットで使う場合

 

例えば「She is cute.(SVC)」と表すとき、補語「C」に位置できるのが「形容詞」です。(※叙述用法)

「A cute girl(形容詞+名詞)」のように、名詞のかたまりを作る場合は、限定用法と呼ばれます。

 

1 英語の形容詞|叙述用法

 

叙述用法では、形容詞が「SVC」「SVOC」の中で、補語「C」の位置に置かれます。

形容詞が補語となる場合、名詞の「状態や性質」を詳しく表せるのです。

 

1-1 叙述用法|be動詞+形容詞

 

叙述用法|例文

  • She is cute.
  • 彼女は可愛いです。

 

上記「She is cute.」は「SVC」の第2文型。

※ S ⇛ 主語、V ⇛ 動詞、C ⇛ 補語 

 

形容詞「cute」は、主語「She」の状態を詳しく表しています。

「She=cute(S=C)」のイコール関係を表していると考えてもOK。

上記英文のように「SVC(叙述用法)」で形容詞を使うときは、「be動詞」を伴いますよ。

「be動詞」と形容詞はセットで使う、と覚えておきましょう。
(※「知覚動詞+形容詞」のパターンもあり)

 

1-2 叙述用法|知覚動詞+形容詞

 

「SVC(叙述用法)」で形容詞を使うときは、「be動詞」を伴うと解説しましたが、形容詞は知覚動詞と一緒に用いることができます。

「look+形容詞」や「sound+形容詞」のパターン。

「look+形容詞」|例文

  • You look wonderful in the cap.
  • その帽子はあなたによく似合う。

 

上記英文は「SVC」の第2文型。「look(動詞)+wonderful(形容詞)」の組み合わせです。

動詞「look」を「知覚(〜に見える)」の意味で用いる場合には、形容詞と組み合わせることができるのです。

「look」以外には、「sound(〜に聞こえる)」や「seem(〜のように思われる)」、「feel(〜の感じを覚える)」が「SVC」の文型で形容詞と一緒に用いられます。

 

2 英語の形容詞|限定用法

 

形容詞の限定用法では、「形容詞+名詞」「名詞+形容詞」のセットで使いますよ。

「形容詞+名詞」「名詞+形容詞」の形にすることで、名詞を具体的に表現できるのです。

名詞を修飾(具体化)するためには、形容詞の力が必要だと考えましょう。

 

2-1 限定用法|形容詞+名詞

 

限定用法|例文

  • She is a cute girl.
  • 彼女は可愛い女の子です。

 

上記は「SVC」の第3文型で作られています。

「a cute girl(形容詞+名詞)」のかたまりが、1つの名詞になっていますよ。

「形容詞+名詞」が1つの名詞として扱われ、文中で主語や目的語、補語になれるのです。

上記英文では、「cute(形容詞)」が前から「girl(名詞)」を修飾しており、「どのような女の子なのか?」を具体的に表しています。

「形容詞+名詞」の形が多く見られますが、「名詞+形容詞」のパターンもあるので以下で紹介しますね。

 

2-2 限定用法|名詞+形容詞

 

限定用法|例文

  • I always try something new.
  • 私はいつも何か新しいことにアタックしています。

 

限定用法では、名詞の直後に形容詞が置かれる場合がありますよ。形容詞が後ろから名詞を修飾するのです。

代名詞「something」や「someone」、「somebody」のような「-thing」「-one」「-body」が付いている語を修飾するときは、代名詞の後ろに形容詞を置きます。

上記英文では「something(名詞)+new(形容詞)」の語順になっており、「new」が後ろから「something」を修飾しています。

「new something」ではなくて、「something new」にしなければなりません。

 

英語の形容詞|現在分詞と過去分詞

 

英語では動詞が語形変化して、形容詞的に用いられる場合があります。

現在分詞と過去分詞の2パターン。

  1. 現在分詞 ⇛ 動詞の性質を持った形容詞の働きをする。動詞の語尾に「-ing」を付け足す。
  2. 過去分詞 ⇛ 動詞の性質を持った形容詞の働きをする。動詞の語尾に「-ed」を付け足す。(※不規則な変化もあり)

 

現在分詞と過去分詞を使うと名詞を修飾できるので、「どのように修飾されるのか?」を以下で見ていきますね。

現在分詞と過去分詞の使い方や文構造、役割を深く理解したい方は、以下記事を参考にしてください。

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1 現在分詞|形容詞の役割

 

現在分詞は名詞を修飾して、具体的に表す役割を持っていますよ。形容詞的に働いて名詞を詳しく表せるのです。

「現在分詞+名詞」と「名詞+現在分詞」の2パターンがあるので、例文を見ながら使い分けを理解しましょう。

 

1-1 形容詞の役割|現在分詞+名詞

 

現在分詞|例文

  • I saw a crying girl.
  • 私は泣いている女の子を見た。

 

上記英文は、「crying(現在分詞)+girl(名詞)」の組み合わせ。

形容詞の役割を果たしている現在分詞「crying」が、名詞「girl」を前から修飾しているのです。

「girl(女の子)」と言うよりも「crying girl(泣いている女の子)」と表すほうが、「具体的にはどんな女の子なのか?」が限定されますよね。

現在分詞が前から名詞を修飾する場合は「排他・分類・概念」を表しており、後ろから修飾する場合には名詞の「一時的状態」を説明していますよ。

 

1-2 形容詞の役割|名詞+現在分詞

 

現在分詞|例文

  • I know the girl sitting on the bench.
  • 私はベンチに座っている女の子を知っています。

 

現在分詞(形容詞の働き)は、名詞を後ろから修飾することができますよ。

上記では「the girl」を具体的に表したいから、現在分詞「sitting」が名詞「the girl」を後ろから修飾しています。

「I know the girl」で英文が完成しており、形容詞の役割を持つ「sitting on the bench」は「the girl の具体的な情報」を述べている、と瞬時に捉える力が大切。

 

2 過去分詞|形容詞の役割

 

過去分詞も現在分詞と同じく、名詞を修飾して具体的に説明する役割を持っていますよ。(※形容詞の働きができるということ)

「過去分詞+名詞」と「名詞+過去分詞」の2パターンがあるので、例文を見てきましょう。

 

2-1 形容詞の役割|過去分詞+名詞

 

過去分詞|例文

  • I bought a used car.
  • 私は中古車を買いました。

 

上記英文では、過去分詞「used」が名詞「car」を前から修飾していますよ。

名詞「car」を具体的に表現するために、形容詞の働きをする過去分詞「used」が用いられているのです。

「car」だけだと「どんな車なのか?」がわからないですよね。

相手にわかりやすく伝えるためには、形容詞を使って名詞を具体化する必要があるかと。

 

2-2 形容詞の役割|名詞+過去分詞

 

過去分詞|例文

  • This is the letter written in English.
  • これは英語で書かれた手紙です。

 

上記英文では、過去分詞「written」が直前の名詞「the letter」を修飾していますよ。

名詞「the letter」を具体的に表すために、形容詞の働きを持つ過去分詞「written」が用いられています。

「This is the letter」で英文が完成しており、「written in English」は修飾の役割(形容詞の働き)を果たしている箇所だと判断しましょう。

 

英語の形容詞|様々な修飾

 

この記事では、名詞を具体的に説明するためには、形容詞の力が必要だと解説してきましたね。

「to不定詞」と関係代名詞を使って、名詞を具体的に表す場合があるので、以下で例文を参考として紹介します。

「to不定詞」と関係代名詞のかたまりが形容詞的な働きをする

 

1 英語の形容詞的用法|to不定詞

 

「to不定詞」|例文

  • I don’t have time to play soccer.
  • 私はサッカーをするための時間がない。

 

上記英文では、形容詞的な働きをする「to play soccer」が、名詞「time」を修飾していますよ。

「to不定詞」には形容詞的用法があり、名詞を具体的に表現する役割を持っているのです。

名詞「time」の具体的情報が、「to play soccer」だと考えてOK。

「to不定詞」の使い方や文構造を深く理解したい方は、以下記事を参考にしてください。

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2 英語の形容詞的役割|関係代名詞

 

関係代名詞|例文

  • I like the girl who lives in Tokyo.
  • 私は東京に住んでいる女性が好きです。

 

上記英文では、関係代名詞の節「who lives in Tokyo」が、直前の名詞「the girl」を修飾しています。

「who lives in Tokyo」が「形容詞的」な役割をしているということ。

「the girl」を具体的に表現するために、関係代名詞を使って「説得性や妥当性」を高めているのです。

関係代名詞の最大の役割は、名詞を具体的に表現すること。

関係代名詞の本質を理解したい方は、以下記事を参考にしてください。

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英語の形容詞|副詞との違い

 

これまで解説してきた通り、形容詞は名詞を修飾して具体的に表現する役割を持っています。

名詞を修飾できるのは「形容詞」ですが、名詞以外を修飾できるのが「副詞」ですよ。

つまり「動詞と形容詞、副詞、文全体」を修飾する場合は、副詞を使って具体的な情報を追加するのです。

修飾のルール

  1. 形容詞 ⇛ 名詞を修飾
  2. 副詞 ⇛ 動詞と形容詞、副詞、文全体を修飾

 

1 英語の副詞|使い方

 

副詞の使い方を理解するために、形容詞と比較して例文を紹介しますね。

修飾する対象に注目しましょう。

形容詞|例文

  • 1  Mary is a beautiful woman.
  • メアリーは美しい女性です。

副詞|例文

  • 2  Mary dances beautifully.
  • メアリーは美しく踊ります。

 

例文1では、形容詞「beautiful」が直後の名詞「woman」を修飾していますよ。「どのような女性なのか?」を表現。

名詞を修飾するのが「形容詞」なので、正しい文法上のもと具体化されているのがわかります。

 

例文2では、副詞「beautifully」が動詞「dances」を修飾しています。

副詞を使うことで、動詞を具体化することができますよ。「どのように踊るのか?」を明確に表しているのです。

名詞を修飾できるのが「形容詞」、名詞以外を修飾できるのが「副詞」だと刻み込みましょう。

 

英語の形容詞|接尾辞

 

形容詞を見極めるためには、接尾辞(単語の語尾)に注目すべき。

「接尾辞」とは単語の語尾に付いて、その単語と一緒に1語を形成するもの。

形容詞の接尾辞が決まっているので、単語の語尾を見れば「形容詞かどうか」が瞬時にわかるのです。

 

形容詞|接尾辞の一覧と例

接尾辞形容詞
-ablereasonable
-ibleaccessible
-alnational
-entdifferent
-arynecessary
-fulbeautiful
-icdramatic
-ivecreative
-lesspriceless
-ousprecious
-likechildlike
-ishchildish

 

まとめ|英語の形容詞

 

この記事では、英語の「形容詞」の使い方と修飾について徹底解説してきました。

文中で正しく形容詞を使うことで、名詞を具体的にわかりやすく表せるため、説得力が高い表現に繋がりますよ。

「修飾する」=「具体的に表現する」という本質的な知識をもとに、英語学習を進めましょう。

今回はこれで以上です。

読んで頂きありがとうございました。