この記事では、TOEICの長文中でよく見る「現在完了形」について例文を参考にしながら、使い方や文構造、核のイメージを解説していきます。
現在完了形を使うことによって、今の状況との因果関係を強調できたり、今も過去と同じ状態が続いていることを表現できたりします。
現在完了形の基本的な使い方に加えて、過去形との違いや、過去完了形と未来完了形、現在完了進行形のパターンを紹介しますね。
僕自身のTOEICスコア
英語の現在完了形とは
英語の現在完了形は、「have/has+過去分詞」の組み合わせで表すことができます。
主語が三人称単数であれば「has+過去分詞」の形になります。
現在完了形の本質としては、過去の出来事と今の状況との因果関係を強調したいことにあります。
あくまで時制は現在形であり、視点が「今この瞬間」です。
過去における感情や出来事が、現在まで繋がっているイメージを持つことができれば、現在完了形の本質をつかめますよ。
TOEICの長文中 では、因果関係を表すときに現在完了形が使われることが多いです。
現在完了形が使われている英文が答えの根拠になりやすいため、英文を読み進めていく上で、フォーカスすべき箇所になります。
TOEICに出る現在完了形|3つの使い方
現在完了形は「過去から現在までの繋がり」が本質的なイメージですが、文脈によって3つの使い方があります。
現在完了形の用法
- 完了用法
- 継続用法
- 経験用法
1つひとつ例文を参考にして、文構造とイメージの理解を深めていきますね。
1 現在完了形|完了用法
最初に、現在完了形における「完了用法」について文構造とイメージを解説しますね。
完了用法|例文
- I have already finished my homework.
- 私はすでに宿題を終えました。
上記の文構造を見てみると「have+過去分詞(p.p.)」になっているので正しい形です。
「already」は副詞であり現在完了形と相性が良いため、一緒に使われることが多いです。
「already」や「just」は「have+過去分詞」の中間に置かれるので、文構造に意識を向けましょう。
上記では私の視点は「現在」であり、現在より少し前(過去)に宿題を終わらせたことを強調していますよ。
宿題を終わらせた状況(過去)が、今この瞬間(現在)まで繋がっているというイメージを持ちましょう。
さらには「宿題を終わらせたから今から遊びに行ける」のように、因果関係を示すことができますよ。
現在完了形によって「原因・結果」の因果関係を表現することができるため、TOEICや日常会話で頻繁に用いられるのです。
完了用法の例文|因果関係
- I have already finished my homework.
- 私はすでに宿題を終えました。
- That is why I will play soccer in the park.
- だから公園でサッカーをします。
上記英文のように因果関係を表現することができるので、現在完了の英文を見かけたときには文脈にフォーカスしましょう。
TOEICの Part3 やPart4、Part7では、因果関係を示している現在完了の英文が答えの根拠になりやすいです。
長文の中で「have+p.p.」「has+p.p.」を見かけたら「答えの根拠になるかも」と意識するのが良いかなと。
2 現在完了形|継続用法
次に、現在完了形における「継続用法」について文構造とイメージを解説しますね。
継続用法|例文
- I have studied English for five years.
- 私は5年間ずっと英語を勉強しています。
上記の文構造を見てみると「have+過去分詞」の形で正しく作られていますね。
「for five years」は勉強の継続期間を表しており、継続用法は「for」や「since」と組み合わせて表されることが多いです。
5年前から英語の勉強を開始して、その動作や状態が現在まで「5年間ずっと続いている」ことを表現できますよ。
「5年間ずっと勉強を頑張っている」ことを強調したいときに、とても適した表現だと思います。
TOEICの英文中では、「5年間ずっと継続している、だから〜できる」など、何か結果をほのめかす表現としても見られます。
3 現在完了形|経験用法
最後に、現在完了形における「経験用法」について文構造とイメージを解説しますね。
経験用法|例文
- I have been to Tokyo once.
- 私はこれまでに1度東京に行ったことがあります。
上記の文構造を見てみると「have+過去分詞」の形で正しく作られていますね。
経験用法では「once」「twice」「three times」のような、回数と一緒に表現されますよ。
英語の本質で考えると、「東京に行った経験を今も持っている」のようなニュアンスがあります。
「過去の経験を今もずっと持っている」ことから、過去と現在の繋がりをイメージしましょう。
さらに経験用法では、「ever」や「never」と一緒に使われることがあります。
今回は「never」(これまで1度も〜したことがない)を使った英文を紹介しますね。
経験用法|「never」
- I have never been to Tokyo.
- 私はこれまでに1度も東京に行ったことがないです。
大切なのが「never」の位置であり、「have+過去分詞」の中間に位置します。
イメージとしては「これまでの人生で1度も経験がない」ことを強調していて、「生まれたとき」が過去の1点であり「今この瞬間」が現在です。
生まれたときから現在までの時間軸を「期間」として捉えており、あくまで視点は現在となりますよ。
TOEICに出る現在完了形|過去形との違い
ここからは現在完了形のイメージをさらに深く理解するために、過去形との違いを明らかにして解説します。
現在完了形と過去形の例文を比較しながら、本質に対する理解を深めましょう。
現在完了形|例文
- I have lost my key.
- 鍵をなくしました。
過去形|例文
- I lost my key.
- 鍵をなくしました。
上記を日本語で考えると「鍵をなくしました」という意味になり、一見同じ意味なのかなと思ってしまいますよね。
実際には「鍵をなくしました」という1つの日本語が、英語では全然違うニュアンスになります。
現在完了形の例文「 I have lost my key. 」の場合
話し手の気持ち
- ⇛ 鍵をなくしてしまった
- ⇛ 今も見つかっていない
- ⇛ 今もずっと探している
過去形の例文「 I lost my key. 」の場合
話し手の気持ち
- ⇛ 鍵をなくしてしまった
- ⇛ でも今とは関係がない過去のこと
- ⇛ 今は重要ではない
現在完了形では、「過去に鍵をなくしてしまって、その状態が今もずっと続いている」のような「継続」を表現しています。
過去形の場合は、「過去に鍵をなくしてその後見つかったかどうかわからない」「とにかく現在とは関係がない」ことが表されていますよ。
現在完了形と過去形のニュアンスはかなり違うため、状況に応じて正しく使い分ける必要があります。
TOEICでは過去形よりも現在完了形の英文にフォーカスすべきです。
現在完了形では「感情や事実、状況が今もずっと継続していること」を表すので、話し手が強調して表現しているのだ。とわかります。
TOEICに出る現在完了形|過去完了形のパターン
過去完了形の文構造は「had+過去分詞」であり、ある過去の1点よりさらに前のことを表現します。
現在完了形では今この瞬間「現在」が視点でしたが、過去完了形では「ある特定の過去の1点」が視点となります。
実際の例文を参考にしないと具体的なイメージが沸かないので、時間軸にフォーカスしながら見ていきますね。
過去完了形|例文
- I had already finished my homework when my mother came back home.
- 母が家に帰ってきたときにはすでに宿題を終えていました。
上記の例文では「when 節(母が家に帰ってきたとき)」が過去の1点であり、宿題を終えてから母の帰宅までずっと「宿題を終えている状態」が継続しています。
「母が家に帰ってきたとき」よりも前に宿題を終わらせていたことを強調したいために、過去完了形が使われているのです。
過去完了形を使うときには「過去の1点」を定める必要があるので、「when」を使って英文が構成されていますよ。
過去の1点を定めるときには「when」「before」「by」「by the time」などが頻出ですね。
完了形では「時間の幅」をイメージすることが大切であり、「幅」を作るためには「点」が2つ必要です。
どこに視点が置かれているのかをイメージするのがいいでしょう。
TOEICでは現在完了が使われている英文を最も多く見かけますが、過去完了が使われて事実が強調されている場合もあります。
過去完了の英文が答えの根拠になるパターンがあるので、英文中で見かけたときは「重要箇所かも」と考えてみてください。
TOEICに出る現在完了形|未来完了形のパターン
未来完了形では、今この瞬間(現在)から未来のある1点までの「時間の幅」を表現します。
未来完了は「will+have+過去分詞」の文構造で作られます。
未来完了形の例文
- I will have finished my homework by seven.
- 私は7時までには宿題を終えているだろう。
上記では「by seven」(7時)が未来の点であり、現在から7時まで「時間の幅」がありますね。
未来完了形を使うことによって、現在から未来の1点までの「継続」や、その期間中の「完了」を表現できるのです。
現在の1点は「今この瞬間」なので常に定まっており、時間の幅を作るために未来の1点を「by seven」で定めていますよ。
7時までに宿題を終えている。「だから8時には出かけられる」のように、未来の結果をほのめかすことも可能です。
TOEICの長文中では、未来完了が使われている英文を見かけることはあまりありません。
けれども出会ったときは、「何か結果をほのめかしているかも」と意識してみてください。
TOEICに出る現在完了形|現在完了進行形のパターン
これまで現在完了形と過去完了形、未来完了形について、文構造やイメージを解説してきました。
最後に、現在完了進行形のパターンを例文を使って紹介しますね。
現在完了進行形の英文は、「have/has+been+ing 」で作ることが可能です。
現在完了形の継続用法の意味と似ているのですが、実際のニュアンスは異なりますよ。
現在完了形の例文と比較すれば理解しやすいので、2つとも見ていきましょう。
現在完了進行形|例文
- I have been studying English for five years.
- 私は5年間ずっと「絶え間なく」英語を勉強しています。
現在完了形|例文
- I have studied English for five years.
- 私は5年間ずっと英語を勉強しています。
現在完了進行形の例文では、「5年間の絶え間ない継続・努力」を強調していますよ。
現在完了進行形と現在完了形にはあまり意味の差がないのですが、
「5年間ずっと絶え間なく勉強を継続している」のように、期間中の継続をより強く表現したいときに適しています。
「絶え間なく」という日本語を補うと、イメージしやすいでしょう。
僕自身が公式問題集や スタディサプリ の英文で「精読⇛音読」を継続してきた中では、現在完了進行形よりも現在完了の英文に多く出会いました。
体験ベースでは「現在完了⇛現在完了進行形⇛過去完了⇛未来完了」の順で、TOEICの英文中で登場するかなと。
現在完了形がTOEIC頻出|まとめ
この記事では、現在完了形と過去完了形、未来完了形、現在完了進行形の使い方や文構造、イメージを徹底解説してきました。
現在完了の本質は、今の状況との因果関係を強調したり、今も過去と同じ状態が続いていることを表現すること。
自身に落とし込むときには、「have/has+done」「had+done」「will+have+done」「have/has+been+ing」
という英文の構造とパターンを正しく理解してから、本質的な核のイメージを掴むことが大切だと思います。
無料でTOEICコーチングを実施しています
現在スコア330から915点まで高めた僕自身が、マンツーマンでTOEICコーチングを行っています。
コーチングでは今回紹介した「完了形」が英文中でどのように使われているかを徹底解説していますよ。
僕のコーチングでは英文の構造にフォーカスしながら、本質的な英語力とTOEICスコアを両方とも高めていきます。
目標のTOEICスコアまで最短最速で到達したい方は、ぜひ無料でコーチングを受けてみてくださいね。
» 初回無料 マンツーマンTOEICコーチング詳細を見てみる